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財界さっぽろコラム

月刊誌「財界さっぽろ」に掲載された院長コラム(全6回)のご紹介です。

体の内を映す

第1回 レントゲンとX線

私はPET診断をしています。「PET診断?獣医さんですか?」という声が聞こえてきそうですが、そういったあなたは正常です。「PETってあの癌の診断をする検査?」と思いついたあなたは健康にとても関心のある方です。

ピンとこなくても、CTやMRIは「あ、それやったことがある!」という方もいるでしょう。胸のレントゲン写真になると、経験のない方はほとんどいないと思います。これらはみな医用画像と呼ばれ、医学目的で使われる画像です。医用画像はこの他、超音波検査、血管造影などたくさんの種類があります。このコラムではこうした医用画像について皆さんの理解を少しでも深められる情報を提供していきます。

さて、一番なじみ深いレントゲン写真ですが、レントゲンは一般の方がよく使っている言葉で、私たち医学関係者は「X線写真」と呼びます。レントゲンは放射線の一種であるX線を発見した人の名前で、X線を使うと体の中が見えることも発見しました。


レントゲンが最初に撮ったのは奥さんの手。指にはめた指輪が白く映っている写真が今も残っています。X線写真はX線が物質の密度や厚さなどにより通り抜けやすさ(透過性)が違うことを利用しています。通り抜けやすさを簡単に説明することは難しいのですが、一般に密度が濃く硬いものは通り抜けにくいと考えてよいでしょう。X線が通り抜けやすいところは黒く、通り抜けにくいところが白く写ります。その濃淡からどこにどんな性質のものがあるかを推定します。 X線はさまざまな医用画像で使われています。

財界さっぽろ2007年1月号に掲載

第2回 CT検査

CTはX線を使って体の輪切りの写真(断層写真)を撮る検査です。CTの「C」はコンピュータ、「T」は断層写真を意味するトモグラフィーという言葉からきています。

開発当初は撮影に時間がかかり、不鮮明な画像しかとれませんでしたが、現在は非常に細かい構造もくっきりみえ、撮影時間も短縮されました。最新機種では全身を撮るのでさえ秒単位です。

X線を用いますから、通常のX線写真と同様にX線の通りやすさで白く写ったり黒く写ったりします。ただ、違う臓器でも同じ濃度で写ることがあります。そんなときは造影剤というものを使って区別します。CTの造影剤は血管注射で体内へ入れます。造影剤が血液の中に入ると、血管の多いところ、臓器に血液が行き渡っている部分などが白く写るようになります。

血管の多さや血液の行き渡り具合は病気によってさまざまな特徴があるので、造影剤を使うことで診断がより正確になります。ただし、造影剤はごくたまに副作用を起こします。吐き気がしたり、蕁麻疹が出たりすることがあり、ひどいときには亡くなる方もいます。アレルギーや喘息のある方、過去、造影剤を使って具合が悪くなったことがある方は検査前に申し出ることが大切です。

私たちのクリニックで造影剤を使うときには、事前に説明をして承諾をいただいています。慎重に使うことは必要ですが、造影剤を使わなければあまり役に立たない検査もありますので、よく説明を受けてむやみに怖がらずに必要な検査を受けてください。

財界さっぽろ2007年2月号に掲載

第3回 MRI検査

今回はMRIの話です。MRIの「M」はマグネッティック(磁気)、「R」はリゾナンス(共鳴)、「I」はイメージ(画像)の頭文字で、その名の通り、磁気を用いて画像を作る検査法です。

原理を一口で言うのは難しいのですが、磁気に影響を受けた体内の水素原子から出される磁気共鳴信号を使って画像を作ります。画像で現されるのは水素原子が含まれる水の動きやその含まれ方と言っていいかもしれません。そのため、前回話したX線の通りやすさの違いで画像を作るCTとは異なる画像が得られ、そこからわかることも違います。MRI、CT両方の検査をすることがよくあるのはそのためです。病気の診断には多くの情報を必要とするのです。

MRIを受けるときに注意しなければならないのは金属です。磁場の中で検査するため、金属が磁石に引きつけられてしまうのです。ペースメーカーが誤作動することもありますから、装着している方は検査できません。最近はMRIを行っても問題ない素材を使うようになりましたが、10年以上前に手術をしてボルトやクリップ、人工心臓弁などを入れている方も検査できないことがあります。ネックレスや時計、入れ歯、ベルトなども外します。安全上の理由だけでなく、画像が見づらくなるからです。刺青もやけどをする場合があるので申し出ましょう。
放射線は使わないので妊婦も検査することがありますが、影響がわかっていないので妊娠早期は使わない方が無難です。

財界さっぽろ2007年3月号に掲載

第4回 PET検査[1]

今回はいよいよPET(ペット・陽電子放射断層撮影装置)の話です。PETというと犬や猫が一般的ですが、ここでお話するPETは画像を使った検査の一種。「Positron Emission Tomography」の頭文字をとってPETと呼ばれています。

Positronなどという難しい話はさておき、簡単にいうと放射線を出す薬を体内に入れて、この薬ががんや他の病気のところに集まっていくのを写真に撮り、どこに病気があるのか、どんな病気なのかを調べる検査です。PETで使う薬にはいろいろなものがありますが、現在最もよく使われているのは、ブドウ糖によく似た薬でFDGといいます。この薬はがんがブドウ糖をよく使うことを利用してがんを見つけ出します。ただし、がんの中にはよくブドウ糖を使うものとそうでないものがありますから、すべてのがんを見つけられる訳ではありません。カメラの限界もあり、とても小さなものは見つけられないことがあります。正常の臓器でも脳のようにブドウ糖を使うものにはよく集まります。この辺については、次回お伝えします。


さて、このFDGはブドウ糖によく似た薬なので、体の中に糖がたくさんあると検査がうまくいきません。そこで、6時間前から食事をとらないようにしたり、糖尿病の方は血糖値をコントロールしたりして受けていただきます。血糖が高くてもインスリンを使うとうまくいかないこともあります。もちろん、糖尿病だからといって検査ができない訳ではありませんので、そういう方は医師にご相談してください。 次回もPETについてもう少し詳しくお話しします。

財界さっぽろ2007年4月号に掲載

第5回 PET検査[2]

前回に引き続きPET(ペット・陽電子放射断層撮影装置)の話です。PETはがん診断の切り札のように宣伝され、PET検査をすればがんのことなら何でもわかるかのように誤解されている方も多いようです。しかし、そんな魔法のような検査はPET以外でもまだありません。 PET検診が一般にはよく知られていますが、PETの一番の有効性はがんが疑われる方の診断やがんになってしまった方の転移や再発の発見にあります。従来はCTやMRI だけで行われてきたこれらの検査にPETが加わり、より正確で見逃しのない診断が可能になりました。

現在、15の疾患に健康保険が適用されています。裏を返せば、この疾患以外は健康保険がきかないということになります。保険適用の病気でもいろいろな条件を満たしていなければ保険がききません。

例えば、肺がんでは「他の検査、画像診断により肺がんの存在を疑うが、病理診断より確定診断が確定できない患者」に適用となっていますから、レントゲン写真で何か写っているということだけでは保険は適用になりません。「他の画像でがんらしい」「腫瘍マーカーなどでがんの可能性が高い」が、確定診断をつけられない患者さまに限り、保険適用となります。詳しいことは主治医の先生によくご相談してください。

保険適用になっている疾患はPET検査の有効性が高いことが証明されていますが、保険がきかないがんでも他の検査でどうしてもわからないときなどは、PETが有効なケースがありますので、そのようなときも主治医の先生とよく相談なさってください。
次回は「PET検診」の話です。 

財界さっぽろ2007年5月号に掲載

第6回 PET検査[3]

今回は「PETがん検診」の話です。がんなら何でもわかると言われてきたPET検診ですが、昨年3月、読売新聞が「PET検診に?」という記事を掲載し、受診者数は全国的に大幅に減りました。

PET検診は本当に役に立たない検診なのでしょうか。私達の施設のがん検診で発見されたがんは受診者の2.3%。この数字は検診のがん発見率としては低い数字ではありません。PETが見つけることができたのはその3分の2程度で、残りの3分の1はCTやMRI、 腫瘍マーカーなどで見つかりました。見つけられなかったがんもあったかわりにPETだけで見つかったがんもあり、CTやMRIで写っていてもPETで異常がなければがんと指摘できないケースもありました。 つまり、一つの検査では見つけることができないがんもPETを含めたいくつかの検査を組み合わせることで、見つけることができた訳です。

PETを用いたがん検診のガイドラインでは、PETだけでなく他の検査を組み合わせることを推奨していますが、私達の施設でもそうしています。従って、現在行われているPETがん検診は、新聞報道されたような多くの見逃しをすることはありません。どうしてもPET検診では発見しにくい胃がんについては、ほとんどのPET検診施設であらかじめ受診者にそのことを伝えています。

PETがん検診の大きな特徴は苦痛なく多くのがんを見つけられる、その意味では多くの施設で素晴らしい成績をあげているのです。

このようなPETがん検診の特徴を知った上で、他の検診とも比較して自分に合った検診を受けてください。

財界さっぽろ2007年6月号に掲載
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