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PET検査に関しての読売新聞記事に対する見解を掲載しています。
読売新聞夕刊平成18年3月3日付けの記事
「PETがん検診に?」についての見解
セントラルCIクリニック院長 塚本江利子

上記の記事がでてから、検診を受診された方、予定されていた方、さらにはがん患者さまでPETを受けられた方に動揺がひろがっています。皆様の疑問に答えるべく、今回の記事についての見解をのべさせていただきます。
まず、検診へのPETの寄与と個々の癌に対するPETの意義とは多少異なりますので、分けて説明したいと思います。
1:検診におけるPETの意義
検診におけるPETの意義は小さながんを残さず見つけるというより、全身を苦痛なく、通常検診では調べない部位(子宮体部や膵臓など)まで含めて調べられることです。PETで見つからないがんや小さなものは写らない可能性があることは私たちの提供する説明書にも述べてあることで、そのために他の手段を組み合わせて見逃しのないようにしているのです。
2:誤解を与える記事の内容について
国立がんセンターはきちんとした組織であり、そのデータを否定するつもりはありませんが、記事には多々誤解を招くような表現があり、下記にあげてみました。
■PETがん検診はPET単独で行うようなものではない
現在、全国で行っているPETがん検診はそのほとんどがガイドラインに基づいたものです。ガイドラインではPET単独では診断できないがんもあるため、PET単独の検診はしないようにすることを推奨しています。このため、当クリニックでもPETで弱い部分を補うための検査を組み合わせています。たとえば、PETでみつからない種類の肺がんをみつけるために胸部CT、PETで見つかりにくい肝臓がんや腎臓がんをみつけるためにMRI、甲状腺がんのための超音波検査も行っています。したがって、85%もがんを見逃すようなことは決してありません。
■PETでみつかったがんの数が少なすぎる。
現在、昨年8月までのデータをまとめると当クリニックでは797人中21人にがんが見つかっており、このうちPETでみつからなかったものは7人です。したがって14人ではPETでも所見があります。これを考えると3000人検査して23人しかPETの所見がなかったのは少なすぎる印象です。装置や写真のとりかたなど、いろいろと原因があるようにも思われます。また、反対にみつかったがんが150人(5%)というのも多すぎる印象があり、最終診断をどのようにしているのか(全部組織をとっているか)、どのようながんがみつかっているのか(見つける必要のないがんがはいっていないのか)などを知りたいところです。なお、当クリニックでみつかったがんについてはこちらをご覧ください。
■検査の内容
検査の内容に胃カメラや大腸カメラがはいっています。これについては、すでに説明書でもPETがん検診の弱い点としてあげており、別に検査をおすすめしています。その他にもたくさんの検査をすればするほど発見率が高くなるのはあたりまえのことですが、どの程度まで検査をうけるかは受ける方が決めるしかありません。要するに、簡単にすべてがわかる魔法の検査はなく、完璧に検査をしようとするときりがないのも事実です。ただ、ガイドラインにのっとったPETがん検診で85%のがんを見逃すなどということはないと考えますし、当クリニックでもそのようなことはありません。
■この研究はきちんとした形で発表されるべきものだと思います。
現在、PETを検診に応用する研究が厚生省の科学研修費を使って行われています。国立がんセンターも独自に同じような研究を行っていたことは周知のことです。この研究はPETの検診における意義を客観的なデータを用いて証明しようとしたものだと思います。この研究は内部調査などではなく、詳細な検討を経て論文や学会発表などのきちんとした形で発表されるものだと思いますので、それを待ちたいと思います。そしてそういう場においてたくさんの人たちで議論されるべきものだと思います。
3:がん患者さまへ
今回の記事は検診について書かれたもので、個々のがんについてのPETの意義とは全く別のものです。検診に対してのデータはとても少ないのですが、個々のがんについてPETがどのように役立つかはたくさんの論文がだされており、しっかりとした根拠があります。もちろん、PETがあまり役立たないがんもあり、がんの種類や目的によって使い分けることが大切です。特に再発や転移の診断にはCTやMRIで得られない情報を提供してくれることも多く、PETは今後もがん診療になくてはならないものとなっていくと考えます。個々のがんにおける意義は主治医の先生にお聞きください。また、こちらでも情報は提供いたしますので、お知りになりたい方は[centralci@teishinkai.jp]までお問い合わせください。
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