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未破裂脳動脈瘤

未破裂脳動脈瘤

疾患の説明

未破裂動脈瘤は、脳内部にある動脈瘤が破裂する前の状態です。くも膜下出血の原因で最も多いのが未破裂脳動脈瘤です。脳動脈瘤が破れるとくも膜下出血になりますが、ほとんどの未破裂動脈瘤は無症状です。動脈瘤の大きさや場所によっては、動眼神経麻痺といって、片側のまぶたが開かなくなり、両方の目で物を見ると二重に見えることがあります。また、動脈瘤により視神経が圧迫されると、視力が落ちたり視野が欠けたりします。

治療法

未破裂脳動脈瘤は自然に小さくなったり、消えたりすることはほとんどありませんし、残念ながら現時点では薬物療法で小さくなったり、破裂率が下がったりすることは証明されていません。

そのため、未破裂脳動脈瘤が見つかると、できた場所や瘤の大きさ形状から経過観察をするケースもありますが、外科手術を検討します。脳動脈瘤が破れる確率を下げるか、なくすためには外科的な治療が必要となります。現在、大きく分けて「脳動脈瘤クリッピング術」と「脳動脈瘤コイル塞栓術」の2種類の治療を行っています。

  • クリッピング術(開頭手術):全身麻酔をしている状態で頭蓋骨の一部を開いて、手術用の顕微鏡を用いながら、破裂した動脈瘤に金属製のクリップで挟んで、動脈瘤の内部に血液が入らないように破裂を防ぐ手術です。
  • コイル塞栓術(血管内治療):太ももの付け根の動脈からカテーテルという細い管を入れ、動脈瘤の内部まで挿入します。コイルという細い金属製の針金を動脈瘤の中に詰めて、動脈瘤の中に血液が入らないようにする治療です。

症状がなくても、直接血の繋がった親族にくも膜下出血がいる方や、タバコをたくさん吸う方は、未破裂脳動脈瘤が存在する可能性が高いので、脳ドック受診をお勧めします。