下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は足の血管の病気です。下肢とは足のことで、静脈瘤は血管(静脈)が文字通りこぶ(瘤)のようにふくらんだ状態のことをいいます。
下肢静脈瘤は良性の病気ですので命の危険はありませんが、足のだるさやむくみといった症状が慢性的に起こるため生活の質(QOL)を低下させます。
まれに、湿疹ができたり、皮膚が破れる潰瘍(かいよう)ができたりし、重症になることがあります。このような際は、できるだけ早く受診されることをお勧めします。
症状
下肢静脈瘤の症状はほとんどがふくらはぎにおこります。足に血液がたまることによっておこるので、午後から夕方に症状が強くなるのが特徴です。
しかし、足の症状は変形性膝関節症や脊柱管狭窄症など他の病気でも起こるので、心配な方は専門医にご相談してください。
下肢静脈瘤の症状
- 足の血管が浮き出て見える
- ふくらはぎがだるい・重苦しい
- 足のむくみ
- 足のこむら返り(つる)
- 足がほてる・熱く感じる
- 足のむずむず感・不快感
- 足のかゆみ・湿疹
- 足の色素沈着
- 足の潰瘍
下肢静脈瘤以外の病気の症状
- 足が冷える・冷たい
- 階段の昇り降りがつらい
- 正座ができない
- 歩くとふくらはぎがだるくなる
- 足がしびれる
- 足の裏が砂利をふんでいるように感じる
- 冬になると足がかゆくなる
原因
遺伝性があり、両親とも下肢静脈瘤の場合、将来的にその子どもも90%発症するというデータもあります。
妊娠時にはホルモンの影響により静脈が柔らかくなって弁が壊れやすくなるため発症しやすくなります。
立ち仕事、特に1カ所に立ってあまり動かない仕事(調理師、美容師、販売員など)は発症しやすく、中でも1日10時間以上立っている人は重症化しやすい傾向にあるので注意が必要です。
肥満や便秘なども下肢静脈瘤を悪化させる因子です。
発症頻度
下肢静脈瘤は40歳以上の女性に多く、年齢とともに増加していきます。
出産経験のある女性の2人に1人の方が発症するというデータもあり、身近な病気と言えます。