機能性神経症状専門外来

機能性神経症状(身体表現性障害、解離性障害)専門外来

機能性神経症状は、腫瘍や炎症などで神経が障害はされていない(検査では異常が見つからない)のに、運動症状(脱力、麻痺、筋肉の強い突っ張り、震え、歩けない、話せない、飲み込めない、など)や、感覚障害(痛み、痺れ、眩しい、耳鳴り、よく見えない、聞こえない、など)が生じる症状です。
これまでは、「心の症状が、身体の症状として表現・転換される障害」という意味の、身体表現性障害や、転換性障害という病名で呼ばれていました。しかし、最近になって、生まれつきの気質(過敏、こだわりやすい、几帳面、など)に、精神的、肉体的ストレスが加わり、「感覚」「運動」「情動(快、不快、感情)」を司る脳の領域の間に、異常なネットワークが作られて、多彩な症状が出てくることがわかってきました。このため、欧米では、機能性の(functional)障害があることがはっきりする「機能性神経障害(functional neurologic disorder)」という用語が推奨されるようになりました。
機能性神経症状は、脳内での異常信号が原因ですから、痛みを感じていても、普通の鎮痛薬では改善せず、その精神的ストレスによって、痛みが強くなったり、広がったりします。痛みを感じると、無意識に体に力が入りますので、筋肉痛が加わります。力を入れていても、本人は「力を入れている」と自覚していませんので、力が入りすぎることで、「手足がうまく動かない」「手足がねじれる」などの機能性神経症状が加わることもあります。何かに夢中になっている時には、症状が現れにくいのも特徴です。脳は同時処理が苦手ですので、何かをしなければならない時は、不要な神経回路は一時的に遮断されるからです。
症状が現れるメカニズムを理解し、異常なネットワーク内での過剰な神経伝達を改善させる薬(抗てんかん薬など)を併用し、できるだけ症状を忘れるようにする(症状があるかどうか自己チェックしない)などの生活を心がけることで、異常なネットワークの力を弱め、症状を改善させることができます。
通常の検査で異常がなく、「完璧主義」「真面目」「神経質」「こだわりやすい」といった機能性神経症状を生じやすい性格であれば、症状が機能性神経症状である可能性を考え、早期に専門医を受診しましょう。

担当医

北川 まゆみ
キタガワ マユミ

北海道大学医学部卒業

  • 医学博士
  • 日本神経学会神経内科指導医・専門医
  • 日本パーキンソン病・運動障害疾患学会評議員
  • 北海道大学病院客員臨床医
  • 日本ニューロモデュレーション学会評議員
  • 札幌医科大学客員臨床医
  • 認知症サポート医
  • 札幌医科大学脳神経外科学講座臨床教授
午前 北川
午後

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