日本人の長寿化によって必然的に起こる要介護者の増加や核家族化に伴って介護を担当する家族が少なくなり、それまで家族の責任で賄われてきた高齢介護が家族にとって大きな負担になるようになりました。家族に代わり社会全体で高齢者介護を行おうという理念の下、介護保険制度が2001年に創設されましたが、要介護高齢者の増加に介護保険財政が追いつかず、いまだに満足できるレベルの介護が提供されていないのが現状です。
また、高齢化と共に何らかの認知機能障害を患った高齢者も増加しており、認知症の症状が重かったり、主介護者が病弱で介護負担に耐えられなかったりで、在宅介護ではご本人とご家族が共倒れになってしまうおそれがあり、どうしても施設でなければ介護が困難な例も増えてきております。独居の高齢者が多くなったのも最近の傾向で認知症が徐々に進行して独居に耐えられなくなって施設入所に至る例も少なくありません。こうした皆さんのために介護を担当する施設には、医療に重点が置かれている療養病床を持つ病院、介護に重点が置かれている特別養護老人ホーム、医療・リハビリテーション・介護の機能を併せ持った介護医療院、介護老人保健施設などがあり、それぞれの施設の機能を生かしたケアが行われています。
当施設ら・ぷらーさは介護老人保健施設として、医療・看護・リハビリテーション・介護の機能がもっともバランス良く備えられた稚内市唯一の施設です。常勤医師と看護師がさまざまな慢性疾患を持つ高齢者の服薬を管理し、体調の変化に一早く対応して病院に治療をお願いしたり、心身の機能を維持するために理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーションが行われ、介護福祉士によって食事や排泄、入浴など日常生活上の介護が行われております。職員一同このメリットを十分生かして、入所介護を必要とされるご本人のみならず、ご家族も穏やかな生活が送れるよう心掛けています。
在宅で生活が可能な方には、通所で行われるデイケアが用意されており、職員や他利用者の皆さんとの会話や食事、リハビリテーション、入浴などを通してとかく引きこもりになりがちな在宅生活に変化を与え、不活発な生活による身体機能の廃用や認知症の進行を防いで有意な老後を過ごしていただけるようお世話させていただきます。介護の世界でも介護を担当する人手不足に悩まされており、政府が介護人材を増やす対策を立案しているところですが、その中でも多職種チーム一丸となって少しでも皆さんに満足いただけるケアを提供して行きたいと考えています。
私たちは看護、介護が一体となり利用者様のケアに努めております。特に老人保健施設ご利用者の疾患は多岐にわたり、高齢による衰弱、脳血管疾患、難病、認知症など、介護が必要となった方々への自立支援を心がけております。身体的回復や機能の維持改善のためのプログラムはもとより、安心安全な生活空間の中でお過ごしいただくケアを提供しております。病院退院後の不安や、在宅で一時的な医療処置等が必要となったときなど、簡易的な医療処置が必要な方々がご利用できるよう24時間看護サービスの提供ができる体制をとっております。
おひとりおひとりにあったケアの質を大切に取り組んでおります。ご家族も支えながら、共に最善のケアができるよう専門的知識の向上を目指しております。
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