動脈硬化などで血管の内側が塞がり、十分な血液が送れなくなると脳細胞が栄養を得られにくくなります。この状態がしばらく続くと、脳細胞が死んで脳梗塞となります。
脳梗塞を発症した時の主な症状は、顔の片側が下がる・ゆがみがある(麻痺)、片方の腕に力が入らない、言葉が出てこない、ろれつが回らないなどです。
脳の太い血管が閉塞した場合には、症状が重篤になりやすく、緊急で血管内に生じた血栓を薬剤で溶かす治療[t-PA治療(血栓溶解療法)]で閉塞した血管を再び開通させる必要があります。できる限り早く治療を進めることにより、後遺症の程度を減らすことができます。 不整脈がある方は、心臓の中で血液がよどみやすくなり血塊ができて、それが心臓から脳の血管に流れて詰まることでも起きます(脳塞栓)。脳塞栓は、太い動脈を閉塞させることも多く、不整脈がある場合、その程度によって、これを防ぐための抗凝固剤を飲む必要があります。
高齢者の方は十分に水分を摂っていないと体が脱水状態になり、その結果、血液が固まりやすくなり、脳の血管が詰まって脳梗塞となることが多いです。
脳出血は、主に高血圧、動脈硬化が原因となり、脳の細かい血管が破れて、脳の中に出血を起こす病気です。動脈硬化が始まる50歳代以降の方だけでなく、若年層では、脳動静脈奇形[1](先天性疾患)や成人ではもやもや病[2]や血管壁の特殊な変性(アミロイド変性)が原因で起きることもあります。また、血液透析を行っている方、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方、お酒を大量に飲む方も脳出血を起こしやすいとされております。
[1] 脳動静脈奇形…脳の動脈と静脈が異常な血管塊を形成する病気
[2] 頭の中の脳を養う太い血管(内頸動脈)が細くなり、これによって脳に十分な血液が供給できなくなる病気
主な症状は、脳内の出血量が少ない場合は、軽い頭痛やふらつき、めまい、手足のしびれといった症状がみられます。半身の麻痺やしびれ、言葉が出ない、ろれつが回らないといった脳梗塞と似た症状もみられることもあり、脳幹と呼ばれる部位で出血が起きたときは、急に意識消失して、四肢麻痺となったり、亡くなったりすることもまれにあります。
脳内出血が起きる部位は、大脳が90%(被殻60%、皮質下20%、視床10%)を占めるほか、小脳(約8%)、脳幹等(2%)でも起こります。
脳は、頭蓋骨と3つの膜(硬膜、くも膜、軟膜)に覆われて外力から保護されています。くも膜と軟膜のすき間は、くも膜下腔と呼ばれています。くも膜下出血は、このくも膜下腔に出血が起きていることで、命を落とす危険がある病気です。発症するとおよそ3分の1の方が死亡し、3分の1の方が障がいを残し、社会復帰できる方は残り3分の1程度しかいません。
くも膜下出血は中年以上では脳動脈瘤、若い方では生まれつきの病気である脳動静脈奇形が破裂して起きます。 これまでに感じたことのないような頭痛で発症することが多いので、激しい頭痛を感じた場合は救急車で脳神経外科を受診する必要があります。大量のくも膜下出血では突然、意識を失ってしまうこともあるため緊急搬送が必要です。
脳腫瘍は、脳内に発生する腫瘍のことです。脳を構成する細胞がもとになった原発性脳腫瘍と脳以外の部位でできた腫瘍が転移した転移性腫瘍に分けられます。
早期発見が重要ですので、上記の軽い症状でも脳の精密検査を受けることをお勧めします。
未破裂動脈瘤は、脳内部にある動脈瘤が破裂する前の状態です。くも膜下出血の原因で最も多いのが未破裂脳動脈瘤です。脳動脈瘤が破れるとくも膜下出血になりますが、ほとんどの未破裂動脈瘤は無症状です。動脈瘤の大きさや場所によっては、動眼神経麻痺といって、片側のまぶたが開かなくなり、両方の目で物を見ると二重に見えることがあります。また、動脈瘤により視神経が圧迫されると、視力が落ちたり視野が欠けたりします。
三叉神経痛は、顔の感覚を脳に伝える末梢神経の一種である三叉神経に痛みが起こり、顔に痛みを感じる病気です。まぶたの周りや頬から顎にかけての電気の走るような鋭い・耐え難い痛みが特徴的です。また、口腔内に痛みが走る場合もあり,歯磨きや冷水などで痛みが誘発される場合もあります。あまりの痛みのため、仕事や日常生活に制限が生じてしまう状況もあります。
顔面けいれんは、片側のまぶたや頬、口角付近で顔面の表情筋が自分の意思とは関係なくピクピクと動く病気です。人前や精神的に緊張感が高まる場面で悪化することが多く、その影響で外出したくなくなるなど社会生活の制限に至る場合も多いです。三叉神経痛、顔面けいれんいずれも脳を養う血管の動脈硬化により、三叉神経や顔面神経周囲の血管による神経の圧迫が原因で発生するが多いです。
転倒や交通事故などにより、頭部に強い衝撃が加わる(頭部外傷)と、脳の外側にある膜(硬膜)の内外に血液がたまり、血液のかたまり(血腫)ができて、脳が圧迫され、放置すると間接的に生命中枢へ影響が出て、命を落とすことがあります。
水頭症とは、脳と脊髄を循環する脳脊髄液(脳や神経を保護する液体)の流れが悪くなり、頭蓋内に脳脊髄液がたまり、脳室(脳のなかの空洞)が大きくなる病気です。
脳から腰までの脊髄腔には、約150mlの髄液が流れています。毛細血管を介して、毎日、約400~500ml 産生され、3~4回、循環しているといわれています。急な出血で流れがせき止められるとあらわれる急性の水頭症もありますが、多くは、くも膜下出血や髄膜炎などによる吸収障害、さまざまな理由による通路障害、腫瘍による産生過剰によって徐々に脳室が拡張し、脳を圧迫し、認知機能低下、ふらつくなどの歩行障害、尿失禁などの排尿障害が起きます。
禎心会さっぽろ北口
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