もやもや病はわが国で最初に発見された疾患であり、小児の脳卒中の原因として代表的なものであります。その疾患の本質はウィリス動脈輪の進行性の閉塞でありもやもや血管はその代償するために発達した側副路をさします。
発生率は人口10万に対し1年間0.35~0.5人程度であり、男女比は1:1.8で女性に多く、好発年齢は10歳以下と40歳前後の2峰性のピークを有します。
家族発症は全体の10%程度にみられ遺伝的関与が指摘されています。しかし、どのような遺伝子が問題かははっきりしていないし、遺伝する可能性に関しても、どの程度高いかは不明であります。発症形式は主に虚血型と出血型とにわかれ、小児例は一過性脳虚血発作や脳梗塞などの虚血症状がほとんどであるのに対し、成人例はほぼ半数が脳出血で発症します。
もやもや病の治療法には、大きく分けると以下の3つの治療方針があります。
基礎治療はどのような患者さんにも有用で、かつすぐに実行できることが多いため、皆さんにおすすめしていますが、内科的治療と外科的治療にはそれぞれにメリット・デメリットがあります。そこで、担当の医師との相談の上、どのような治療方針を選択するのかを決定していくことが必要です。s
中川原 譲二
ナカガワラ ジョウジ
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