よくご覧になられているページ

当院の治療(がん)

当院の治療(がん)

当院の治療について

がんの治療による副作用を軽減する治療法やからだへの負担をできる限り少なくする低侵襲治療、各診療科の専門的な治療を組み合わせた集学的治療をチーム医療で行っています。

副作用の軽減を目指したがん治療

がん化学療法センターでは、がん治療による副作用の苦痛を少しでも減らし、治療効果を高める工夫を取り入れた抗がん剤治療を行っています。
高周波によりがん細胞を加温し、がん組織だけを死滅させるハイパーサーミア(温熱療法)を抗がん剤治療に加えることにより、抗がん剤の効果を増強できます。抗がん剤を減量しても、しっかりとした治療効果を出すことも期待できるので、副作用を軽減した治療にすることもできます。
また、患者さんの病態により、放射線治療や高圧酸素療法、漢方療法なども総合的に取り入れることができる全国でも数少ない治療体制を整えています。ハイパーサーミアや高圧酸素療法は抗がん剤投与の直前もしくは直後に行うと、より効果的とされています。当院では、抗がん剤治療の同日にハイパーサーミアや高圧酸素療法を行うこともできます。

副作用の軽減を目指したがん治療

がん性腹膜炎に伴う腹水の治療

がん化学療法センターでは、2022年7月より、がん性腹膜炎に伴う多量の腹水に対応できるKM-CART(腹水ろ過濃縮再静注法)の治療を開始しています。 がん性腹膜炎とは、がんが進行して腹部にがん細胞が転移した状態のことを言います。症状としては、腹水が溜まり、お腹が張っている感じや腹痛、食欲不振、息苦しさなどがあります。 こうしたがん性腹膜炎に伴う腹水に対して当院で行っている治療法がKM-CARTです。従来の治療法(CART)では、約4~5リットルの腹水の処置が限界でしたが、KM-CARTでは10リットル以上の腹水であっても、ほぼ全ての腹水を抜くことができ、症状の改善も見られます。また、ろ過濃縮処置をした上で腹水のなかに含まれる栄養成分を体内に戻すこともできます。 当院では、他の医療機関で抗がん剤治療や緩和ケアを受けつつ、当院でKM-CARTによる腹水の治療を対応することも可能です。

※治療方法の画像

がん性腹膜炎に伴う腹水の治療

放射線・陽子線治療

当院では、2016年11月に道内にある民間病院初となるがん陽子線治療を開始し、これまで約5年間、実績を積んできました。

従来のエックス線を用いた放射線治療は、身体の表面近くで一番強いエネルギーを放ち、体内へ入るに従ってエネルギーは減少し、腫瘍を越えて体を突き抜けます。腫瘍以外の正常な部分へも放射線が照射されてしまうため、場合によっては強い副作用を生じたり、十分な量の放射線が照射出来ない、という問題点がありました。

一方、陽子線治療では、水素の原子核(陽子)を加速してエネルギーを高めてできる陽子線を治療に用います。陽子線はあらかじめ設定した深さに達したときに最大のエネルギーを放出して停止する性質を持っています。この性質を利用し、腫瘍のある深さに合わせて照射する設定をすることで、腫瘍に対してピンポイントに治療することができます。その結果、通常の放射線治療に比べて、正常細胞へのダメージが少なく、副作用を少なくすることができます。またより強い量の放射線を照射できるため、根治性の向上が期待出来ます。

陽子線治療の保険適用に関しては、2022年4月より、前立腺がん、頭頸部がん(口腔、咽喉頭の扁平上皮がんを除く)、骨軟部腫瘍、小児腫瘍に加え、新たに肝細胞がん(長径4㎝以上)、肝内胆管がん、膵がん(局所進行)、術後に局所再発した大腸がんが健康保険適用の対象として追加されました。

また、X線治療装置(リニアック)による強度変調放射線治療、定位放射線治療などの高精度放射線治療の症例も多く、がんに対する手術、放射線治療、薬物治療の三大治療の一端を担っており、より高い治療効果を目指して、各診療科とチーム医療で集学的治療に対応しています。

放射線・陽子線治療

脳腫瘍

脳腫瘍は、頭蓋骨の内部にできる腫瘍の総称です。脳の細胞や脳を取り巻くものから発生する原発性脳腫瘍と他の臓器のがんが脳に転移する転移性脳腫瘍があります。症状は、頭痛やめまい、ふらつき、手足のしびれ・まひ、話しづらい、物が二重に見える(複視)、音が聞こえづらいなど腫瘍が発生する部位によって様々です。
脳腫瘍は、良性腫瘍の場合は、部位や大きさ、症状によって、経過観察や手術で全て摘出する場合もあります。一方、悪性腫瘍の場合は、手術に加え、放射線治療や薬物療法などを組み合わせた集学的治療が必要となってきます。
当院では、数多くの症例で培った頭蓋底手術の技術や内視鏡技術、各診療科における専門的治療を融合した安全で質の高い治療が特長となっています。

胃がん・大腸がん

消化器外科では、消化器内科と連携しながら、外科治療を行っています。主に胃がん、大腸がんに対しては、低侵襲(傷や身体への負担が小さい)治療による早期退院、社会復帰を目指し、腹腔鏡手術を積極的に導入しています。

胃がん・大腸がん

頭頸部がん

頭頸部がんの治療には手術、放射線療法、薬物療法(抗がん剤治療、がん免疫療法など)の3つの治療法があり、がんの発生部位や進行度、患者さんの全身状態(年齢や持病)を考慮して治療法を決定します。
また、頭頸部は呼吸、発声、嚥下(飲み込み)など生活を送る上で重要な機能を担っていますので、治療後の生活に及ぼす影響も考慮し、患者さんと相談して治療法を選択しています。

乳がん

乳がんは、日本人女性の9人に1人がかかると言われ、患者数は年々増加傾向にあります。当院では、病態の進行程度によって、外科手術や化学療法、ホルモン療法、分子標的療法を組み合わせて、治療しています。手術は、腫瘍の大きさ・形状により、患者さんのご希望をお聞きしながら、温存できるものは可能な限り温存した形で行っています。

子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん

婦人科では、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど多くの悪性腫瘍の症例を診てきた婦人科腫瘍専門医が診断から治療までスピーディーに対応します。加えて、術後の放射線療法や薬物療法も当院で行うことができます。