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急性硬膜外血腫・硬膜下血腫・慢性硬膜下血腫

急性硬膜外血腫・硬膜下血腫・慢性硬膜下血腫

疾患の説明

転倒や交通事故などにより、頭部に強い衝撃が加わる(頭部外傷)と、脳の外側にある膜(硬膜)の内外に血液がたまり、血液のかたまり(血腫)ができて、脳が圧迫され、放置すると間接的に生命中枢へ影響が出て、命を落とすことがあります。

  • 急性硬膜外血腫…頭蓋骨と硬膜内側で脳を包んでいる硬膜の間に出血がたまってできる血腫。頭蓋骨の内側の圧が高まり(頭蓋内圧亢進)、激しい頭痛、嘔吐があらわれます。血腫が増大すれば、意識障害を起こすこともあります。
  • 急性硬膜下血腫…頭部外傷により脳の表面(くも膜)に脳挫傷が起こり、その部分の血管が損傷されて出血し、短時間で硬膜下にたまってできる血腫です。受傷直後に意識障害を起こす場合や受傷後、徐々に意識が悪くなる方もいます。
  • 慢性硬膜下血腫…頭部の軽微な外傷により、通常で2週間から3カ月の期間に硬膜の下に徐々に血腫ができます。高齢者の方に多く、頭痛や歩行障がい、認知症が急に進んだことで気付かれることがあります。乳幼児は、脳の表面に隙間があるため、軽いけがでも脳の表面の静脈が切れて、急に重篤化することもあり、特に注意が必要です。

治療法

急性硬膜外・硬膜下血腫は、少量の出血であれば、止血剤投与で出血を止めて経過をみます。大量の出血がでている場合は、頭蓋骨の一部を開いて、血腫を取り除きます。脳のダメージが大きく脳の腫れが進行している状態では、内部の組織が破壊された(挫滅)部分を取り除きますが、一定期間、腫れの影響が外側に向かうよう頭蓋骨を外しておく方法(外減圧)をとることもあります。脳の挫滅があった場合は、けいれんを起こすことがあるため、一定期間、抗けいれん剤の服用が必要となるケースもあります。

慢性硬膜下血腫は、出血が少量であれば、薬物療法で治癒を目指します。大量の出血がでている場合は、手術を行います。血腫が液状となっていることがほとんどであり、小孔から洗浄排出させ、1~2日チューブを留置させ、残りを抜き取る方法をとります。