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脳梗塞

脳梗塞

疾患の説明

動脈硬化などで血管の内側が塞がり、十分な血液が送れなくなると脳細胞が栄養を得られにくくなります。この状態がしばらく続くと、脳細胞が死んで脳梗塞となります。

脳梗塞を発症した時の主な症状は、顔の片側が下がる・ゆがみがある(麻痺)、片方の腕に力が入らない、言葉が出てこない、ろれつが回らないなどです。

脳の太い血管が閉塞した場合には、症状が重篤になりやすく、緊急で血管内に生じた血栓を薬剤で溶かす治療[t-PA治療(血栓溶解療法)]で閉塞した血管を再び開通させる必要があります。できる限り早く治療を進めることにより、後遺症の程度を減らすことができます。

不整脈がある方は、心臓の中で血液がよどみやすくなり血塊ができて、それが心臓から脳の血管に流れて詰まることでも起きます(脳塞栓)。脳塞栓は、太い動脈を閉塞させることも多く、不整脈がある場合、その程度によって、これを防ぐための抗凝固剤を飲む必要があります。

高齢者の方は十分に水分を摂っていないと体が脱水状態になり、その結果、血液が固まりやすくなり、脳の血管が詰まって脳梗塞となることが多いです。

治療法

脳梗塞の多くは、点滴(血栓を融解させるもの、虚血で起こる酸化を抑えるもの、血流を流れやすくするもの、二次的な脳の腫れを抑えるものなど)による内科的な治療を行います。血栓を薬剤で溶かす治療[t-PA治療(血栓溶解療法)]は、発症後6~8時間以内が原則であるため、発症後に速やかな受診が必要です。脳梗塞の種類、発症時間によっては、詰まってしまった血管を再開通させる外科的な治療によって、症状の劇的な改善が期待できることもあります。時間との勝負で治療結果が決まることもありますので、脳梗塞が疑わしい症状があれば、すぐに救急車で脳神経外科を受診してください。

緊急を要する治療終了の後に慢性的に血流が悪い状態が残っている場合、血液の流れが悪くなった血管を使わなくてもいいように、他の血管をつないで流れを良くするバイパス手術を行うこともあります。頸部の動脈が狭くなって脳への血流が低下している場合、血管内から拡げてステントと呼ばれる金属のチューブを入れたり(頸動脈ステント留置術)、直接血管を開いて狭くしているプラーク(塊)を取り除く手術(頸動脈血栓内膜剥離術)を行います。