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診療科のご案内

脳神経外科

外来診療のご案内  ドクターのご紹介


脳神経外科は、その名が示すように、脳・神経の病気を主に扱う科です。脳出血、くも膜下出血や脳梗塞などの脳卒中や、頭の中にできる脳腫瘍だけでなく、三叉神経痛や顔面麻痺、脊椎の病気も私達が専門とする疾患です。脳卒中の症状として典型的なものに、構音障害、顔面麻痺、半身麻痺などがありますが、これらを伴わずに、激しい頭痛や軽い眩暈やふらつきのみで発症する種類のもの病気もあります。これらの症状が出現した場合は、脳神経外科を受診し専門医の診察を受けるべきです。
また、タバコをたくさん吸う方や、くも膜下出血を患ったことのある親族をお持ちの方は、脳の動脈に瘤ができている可能性があるため、定期的な脳ドックの受診、早期発見をお勧めします。前述した症状以外の症状であっても、普段と異なる症状があり、「脳から来ているかもしれない」と思われる時は遠慮なく脳神経外科を受診し、診察・検査を受けてください。

対象疾患

くも膜下出血

ご存知の方も多いかもしれませんが、くも膜下出血は重篤な病気です。くも膜下出血を発症するとおよそ3分の1の方が死亡し、3分の1の方が障害を残し、社会復帰できる方は残り3分の1程度しかおりません。くも膜下出血は中年以上の人では脳の動脈に生じた脳動脈瘤、若い方では生まれつきの病気である脳動静脈奇形が破裂し、起きます。典型的にはこれまでに感じたことのないような頭痛で発症する事が多い為、激しい頭痛を感じた場合には、救急車にて脳神経外科を受診すべきです。また、重症なくも膜下出血では、突然意識を失ってしまうこともある為、家族や身近にいらっしゃる方が突然意識を失ってしまった場合も、救急車を要請し脳神経外科を受診すべきです。くも膜下出血になってしまった場合は、動脈瘤が再度破裂してしまわないようにするために、クリッピング, コイリングなどの緊急手術を行います。クリッピング術は全身麻酔下で、頭蓋骨を外して手術用の顕微鏡を用い、破裂した動脈瘤を金属製のクリップで挟んで、動脈瘤の内部に血液が入らないようにします。コイリングはカテーテル治療で、太ももの付け根からカテーテルという細い管を血管の中を進めて、動脈瘤の内部まで挿入します。そして、コイルという細い金属製の針金を動脈瘤の中に詰めて、動脈瘤の中に血液が入らないようにする治療です。

未破裂脳動脈瘤

前述したくも膜下出血の原因で最も多いのが、未破裂脳動脈瘤です。未破裂脳動脈瘤が破れると、くも膜下出血になりますが、ほとんどの動脈瘤は無症状です。動脈瘤の大きさや場所によっては、動眼神経麻痺といって、片側のまぶたが開かなくなり、両方の目で物を見ると二重に見えることがあります。また、動脈瘤が視神系を押したりすると、視力が落ちたり、視野が欠けたりします。症状がなくても、直接血の繋がった親族にくも膜下出血の方がいる場合や、タバコをたくさん吸う方は、未破裂脳動脈瘤が存在する可能性が高いので、脳ドック受診をお勧めします。

脳梗塞

動脈硬化などで血管の内側が塞がり、その先の脳細胞に十分な血液が送れなくなることで、脳細胞が十分な栄養をもらえなくなることで、脳虚血となり、この状態がしばらく続くと脳細胞が死んでしまい、脳梗塞となります。また、不整脈がある方では、心臓の中で血液が淀みやすくなり、血栓という血の塊ができ、それが心臓から脳の血管に飛んで詰まることでも起きます。お年寄りの方では、十分に水分を摂っていないと体が脱水状態になり、その結果、血液が固まりやすくなり、脳の血管が詰まって脳梗塞となることが多いです。症状としては、顔の表情が左右で違う、水を飲むと口元から水がこぼれるなどの①顔面麻痺、②ろれつが回らない、③半身麻痺が多いです。それら以外にも、飲み込みにくさ、指先のしびれ、ふらつき、バランス感覚がなくなり倒れやすい、などの症状も起こりえます。脳梗塞の多くは、点滴による内科的な治療を行いますが、脳梗塞の種類、発症時間によっては、頭蓋骨を外して詰まってしまった血管を再開通させる方法やカテーテルを使って詰まってしまった血管を再開通させる等の外科的な治療を行うことで、劇的な症状の改善が期待できることもあります。時間との勝負になりますので、「これは脳梗塞かもしれない」と思った時にはすぐに救急車を呼んで、脳神経外科を受診しましょう。

脳出血

脳出血は一般的に高血圧が原因で脳の血管に動脈硬化が起こり、そこから出血するという高血圧性脳出血がその原因として最多です。動脈硬化が生じ始めてくる50歳代以降から増加してきます。若い方では、生まれつきの病気である、脳動静脈奇形やもやもや病という病気が原因で脳出血が起きることもあります。血液透析を行っている方、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方、お酒を大量に飲む方も脳出血を起こしやすいと考えられています。出血の量が少ない場合には、軽い頭痛、ふらつき、めまい、手足のしびれ感のみで発症する事もあります。出血の場所によっては、半身麻痺や言葉が出ない、ろれつが回らない、平衡感覚がなくなり歩けないなどの症状が起こる事もあります。このような症状が起きた場合は、すぐに脳神経外科を受診してください。治療は入院して血圧を下げることから始まりますが、出血の量が多い場合は緊急手術を行う場合もあります。手術は全身麻酔下で、頭蓋骨を外して脳出血を除去する開頭血腫除去術を行う事が多いです。脳出血によって、髄液という頭の中を流れている水がせき止められて、頭の中に髄液がだぶついた場合(水頭症)は、頭蓋骨に小さな穴を開けて、髄液を頭の外に出す手術(ドレナージ術)を行う事もあります。

脳腫瘍

脳腫瘍は頭の中にできる腫瘍です。脳腫瘍の大きさや部位によって起こる症状はさまざまですが、頭痛、めまい、ふらつき、半身麻痺、言葉の出にくさ、物が二重に見える、耳が聞こえない、顔の表情が左右で違う、痙攣などです。急激に症状が悪化する場合もありますが、ほとんどは徐々に症状が悪化していきます。やはり早期発見が重要ですので、前述した症状がある場合は、念のため脳の精密検査を受けることをお勧めします。脳腫瘍が発見された場合ですが、治療をせずに経過観察していれば良いものから、手術で根こそぎ取って上げないといけないもの、手術の後に放射線や化学療法を追加しなければいけないものまで、治療方法も様々です。

三叉神経痛・顔面痙攣

三叉神経痛は、ちょっと風が顔に当たったり、布が顔に触れただけでも、激しい痛みが顔に生じる病気です。また、歯磨きをしたときに、虫歯がないにもかかわらず、歯が痛む場合や、男性では髭剃りをした時に、顔面にビリっとした痛みが起きる場合もあります。三叉神経痛の原因は、脳の血管や脳腫瘍が三叉神経を圧迫したり、感染症、多発性硬化症という内科の病気など多岐にわたります。この中で、脳神経外科で治療することで回復が期待できる原因は、脳の血管や脳腫瘍による三叉神経圧迫です。いずれにしても、三叉神経痛の症状が起きてから時間が経ってしまうと、治療を行っても治らない可能性が高くなるので、疑わしいときは早期の受診をお勧めします。脳腫瘍の場合には、さまざまな精密検査を行った上で腫瘍を切除します。血管の圧迫の場合には、まずは内服薬で治療を開始し、効果がない場合に頭蓋骨を外して、三叉神経を圧迫している血管を三叉神経から外して、頭の中で固定します。
顔面痙攣は、目や口のまわり、頬の筋肉が勝手にピクピク動いてしまう病気です。最初は片側だけですが、放っておくと顔の両側がピクピクしてきます。ストレスで症状が悪化することがあります。頭の中で血管が顔面神経を圧迫している場合には、手術で治ることがあります。三叉神経痛と同様、症状が起きてから時間が経ってしまうと、治りにくくなるため、疑わしいときは早期受診をお勧めします。手術方法は三叉神経痛の場合と同様で、頭蓋骨を外して、顔面神経を圧迫している血管を顔面神経から外して、頭の中で固定します。

神経内科

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神経内科(脳神経内科)とは意識障害や頭痛、物忘れ、言葉・感覚・運動・歩行障害などが脳や神経のどこに問題があって生じているのか診断する部門です。検査では眼球や四肢の動き、反射、知覚障害や不随意運動の有無などを調べ、どの神経系に障害があるのかを判断します。その後、MRIやSPECTなどの画像検査のほか、血液検査、脳波や神経伝達速度といった生理学的検査など行って原因をつきとめます。
神経内科で診る病気の多くは治療方法が確立されていない難病です。一方、医療は加速度的に進歩しており、専門医が診療だけでなく、原因究明のためにも協力し合っています。当院は特に、「パーキンソン病」「不随意運動(チック症、ふるえなど)」「身体表現性障害」に力を入れています。患者さまに納得していただくことが何より重要と考え、脳や神経のメカニズム、薬や外科治療がなぜ症状を改善させるのかをわかりやすく説明し、必要に応じて精神神経科医と連携して診療を行っています。

対象となる主な症状、疾患

物忘れ(認知症)

アルツハイマー病、びまん性レビー小体病、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症

前兆のない頭痛、前兆のある頭痛

肩こりによる緊張性頭痛、片頭痛

急に生じる顔、手足のしびれや痛み、麻痺

ギラン・バレー症候群、多発性硬化症

程度が時間や日によって変動する眼や四肢の麻痺

重症筋無力症

ゆっくり進行する手足の麻痺や歩行障害

パーキンソン病、進行性核上性マヒ、大脳皮質基底核変性症

難治性のしびれや痛み

帯状疱疹、手術後のしびれ、手根管症候群などの診断

急に生じる「ふるえ」と意識障害(失神)

首、顔、手足が勝手に動く(不随意運動)

本態性振戦、チック症、舞踏運動、アテートシス、ジストニア

睡眠障害

睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、レム睡眠行動異常症、下肢静止不能症候群(レストレスレッグス症候群、むずむず脚症候群)

“心の辛さ”が原因のしびれや痛み、麻痺

心から生じる神経症状、身体表現性障害(身体症状関連障害)

消化器内科

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消化器とは、食物の消化・吸収・代謝にかかわる臓器の総称で、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆のう・胆管、すい臓からなっています。消化器内科はこれらの臓器の病気を専門にみる診療科です。
外来診療では、消化器症状に対して必要な検査を実施し、適切な治療を選択します。
当院では肝臓専門外来を開設しており、症状や検査所見を基に、専門医が適切な診療を行います。今後、他の専門外来を順次開設する予定です。
検査は胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査の他、超音波内視鏡検査、CT、MRI、腹部超音波検査、血管造影、内視鏡的逆行性膵管胆管造影検査(ERCP)、肝生検などが実施可能です。
治療は各種消化器疾患(逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍、ヘリコバクター・ピロリー除菌治療、B型・C型ウイルス性肝炎の抗ウイルス治療)に対する薬物治療はもとより、大腸ポリープ、食道静脈瘤、総胆管結石などの疾患に対する内視鏡的治療、消化器がんに対する化学療法、分子標的治療、免疫療法、肝細胞がんに対するラジオ波焼灼術、カテーテル治療も実施可能です。なお、疾患や病状により入院精査加療が必要となります。

対象疾患

各種消化器がん(胃がん大腸がん膵臓がん、胆管がん、胆嚢がん、肝細胞がんなど)、胃・十二指腸潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ胃炎、胃・大腸ポリープ、逆流性食道炎、食道静脈瘤、急性膵炎、慢性膵炎、胆石、胆嚢ポリープ、B型慢性肝炎・肝硬変、C型慢性肝炎・肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、過敏性大腸症候群、急性腸炎、虚血性腸炎、炎症性大腸疾患など。

症状

次のような症状のときは消化器疾患の可能性がありますので、消化器内科にご相談ください。

  • 食欲がない
  • やせてきた
  • はき気がする
  • 飲み込みにくい
  • 飲み込んだ後、途中でつかえる感じがする
  • いつも食道に何かつまっている感じがする
  • 胸やけがする
  • 酸っぱい胃液が上がってくる
  • 胸がしめつけられる感じがする
  • からせきが続く(風邪もひいていないのに)
  • おなかが痛い
  • おなかが張る
  • おう吐する
  • げっぷがでる
  • 胃がもたれる(食物が落ちていかない感じがする)
  • 便秘する
  • 下痢する
  • おならが多い
  • 便に血が混じる
  • 真っ黒い便が出る
  • 便が細くなった
  • 自覚症状はないが検診で肝機能異常を指摘された
  • 目が黄色い、家族から皮膚が黄色いと言われた
  • 湿疹は無いのに体がかゆい
  • 全身倦怠感
  • みぞおちの痛みに加えて、その真後ろの背中の痛みもある
  • 風邪でもないのに熱が続く

消化器外科

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消化器外科は消化器内科と連携し、主に食道、胃、十二指腸、肝臓、胆のう、膵臓、小腸、大腸、肛門および腹壁の各種疾患に対する外科治療を担当しています。
当科の手術は低侵襲(傷や身体への負担が小さい)治療による早期退院、社会復帰を目指して積極的に腹腔鏡手術を導入しています。

対象疾患

各種消化器がん(主に胃がん・大腸がん)、急性胆のう炎(胆のう結石症)、急性虫垂炎、そけいヘルニア、内・外痔核、腸閉塞症、その他内科での根治が困難な消化器炎症性疾患など。

低侵襲を目的とした腹腔鏡手術の一例

疾患の種類や部位、大きさなどにより傷の大きさは多少変わります。詳しくは外来にてご相談ください。


胃がんの場合

大腸がんの場合



循環器内科

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症状

狭心症、心筋梗塞、心不全などの心臓病

「胸がもやもやする」「胸が締め付けられる」「動くと何となく苦しくなってくる」などの症状は、狭心症や急性心筋梗塞などの心臓血管病である可能性があります。これらの病気は突然重症化する危険性があり、できるだけ早く専門医の診察を受ける必要があります。「少し休めば楽になるから様子をみよう・・・」とか、「心臓発作?・・・なんて大げさ」などと楽観視していると、命に係わるようなトラブルを起こす可能性もあります。心臓発作の多くは冠状動脈という心臓を養っている細い血管の動脈硬化が原因で起こります。冠状動脈が狭窄したり閉塞することで血流障害が起きると、先ほど述べたような警告症状が出てきます。この警告症状に早く気付き適切な対応をすることが重要です。冠状動脈の検査は造影剤という薬を使用してCT検査や血管造影検査を行います。造影剤で映し出された血管の状態を評価し治療方針を決めていきます。多くの場合は局所麻酔でできるカテーテル治療の適応となり、バルーンや金属のステントを用いた血管内治療で対処可能です。しかし血管狭窄の場所や程度によっては外科手術の方が安全で効果的な場合もあります。どの治療が患者さんをより安全かつ効果的に治療できるかを、内科と外科合同でしっかり検討を行い最適な治療方針を患者さんにご提案させていただきます。治療の選択は医師の都合や興味によってではなく、あくまで患者さんご自身で決めていただくことが重要と考えております。当院の心臓血管センター長は榊原記念病院でトレーニングを受け、札幌医科大学高度救命救急センターで重症心臓病の治療を担当してきました。その経験を生かした質の高い治療をご提供させていただくことで、残念ながら心臓病を発症してしまってもできるだけいい状態まで回復し、安心してお仕事や日常生活に復帰できるようお手伝いさせていただきます。

高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドローム、高尿酸血症などの生活習慣病

多くの方は「できるだけ元気で長生きする」のが理想的と考えているのではないでしょうか。それをかなえるためには心臓病や大動脈疾患、末梢血管疾患などの病気にならないように、普段の生活から気を付けていくことが大切です。高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドローム、高尿酸血症などの生活習慣病は年々増加傾向にあり、ストレスの多い現代社会では、これらの病気を発症することは珍しくありません。適切な治療を受けず放置していると心臓病や血管病を発症する可能性が高くなります。しかし残念ながら多くの方は「治療を始めたら一生、薬を飲まされるのでは・・・」と不安になり、病院受診を先延ばしにしています。そういったお気持ちもよく分かりますが、放置したがために新たに心臓病、血管病を合併してしまっては、「できるだけ元気で長生きする」ことは難しくなります。できるだけ早期に生活習慣病のコントロールを始め、運動や食事などの生活習慣も改善していけば、少量の薬で治療することも可能となります。病気や治療に対する不安感を解決することは簡単ではありません。私たちは診療を通じて、患者さんご自身がご自分の健康状態に向き合い、「できるだけ元気で長生き」できるようにサポートしてまいります。

対象疾患

  • 狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、弁膜症、心筋症などの心臓病
  • 大動脈疾患、末梢血管疾患などの血管病
  • 高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドローム、高尿酸血症など生活習慣病

心臓血管外科

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心臓血管外科では心臓疾患(狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症など)、大動脈瘤(胸部、腹部)および末梢血管疾患(下肢動脈疾患、下肢静脈瘤)に対する外科治療を担当します。
手術器材の改良と手術手技の発達の恩恵で心臓血管手術は急速に低侵襲化してきています。当科では手術後早期の離床と社会復帰をめざして努力します。

対象疾患

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)

心臓を栄養する冠状動脈の狭窄や閉塞で心臓の筋肉への血液の供給が減ることや途絶えることを虚血といいます。狭心症と心筋梗塞の2つをまとめて虚血性心疾患と呼びます。労作時などに胸痛が出現します。
血流を改善させるための治療はカテーテルによる経皮的冠動脈形成術と手術による冠動脈バイパス術があります。循環器内科と相談し病状にあわせて患者さんに最適な治療を選択します。冠動脈バイパス術では合併症を減らすために通常心臓手術に使用する人工心肺を用いずに冠動脈バイパス術(心拍動下冠動脈バイパス術:オフポンプCABG)を行います。

心臓弁膜症(大動脈弁、僧帽弁、三尖弁)

心臓は4つの部屋に分かれており4つの心臓弁があり効率よく血液を肺と全身に送っています。心臓の弁膜が開閉運動に支障をきたした状態で、血液の通過障害・逆流・送血効率の低下が起きる疾患です。重症化すると心不全を引き起こし、息切れ、呼吸苦などが出現します。
重症化した場合には外科治療が必要で人工弁による弁置換術が施行されます。症状が重度でも弁の変性が重症でなければ自分の弁を用いた弁形成術も施行されます。

大動脈疾患(胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤)

大動脈が動脈硬化により大動脈壁の強度が低下し拡張する大動脈瘤と、大動脈壁の内膜に生じた亀裂から血流が動脈壁に流入して2重構造になる急性大動脈解離があります。合併症として破裂によるショックと臓器障害があります。急性の場合は緊急手術が必要になります。治療法は開胸、開腹による人工血管置換術が施行されます。大動脈瘤の発生場所や大きさによっては血管内治療によるステントグラフト内挿術が施行されます。ステントグラフト内挿術は動脈瘤の形態が適してなければ施行できませんが、開胸開腹を必要とせず、術後の早期回復が期待できます。

末梢血管疾患(閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤)

□閉塞性動脈硬化症
動脈硬化のために徐々に動脈が閉塞する閉塞性動脈硬化症が増えてきています。高齢、喫煙、高血圧、糖尿病、高脂血症などが危険因子です。初期には冷感、しびれ感などを自覚することもありますが、最も多い主訴は間歇性跛行(一定距離を歩くとふくらはぎや臀部が痛む)です。進行すると安静時痛や潰瘍、壊死に陥ります。治療については薬物治療、カテーテル治療、外科的バイパス治療などがあります。
下肢静脈瘤
下肢の静脈は足の血液を心臓にもどす役割を果たしていますが、逆流防止のために静脈弁が存在します。その静脈弁の機能不全による静脈血の逆流による血液の鬱滞が病気の正体です。夜間のこむら返り、下肢の浮腫や鈍重感、色素沈着や湿疹などの皮膚症状を伴う場合には積極的に治療を受けることをお勧めします。治療としては静脈瘤抜去切除(選択式内翻ストリッピング)や硬化療法(結紮術併用含む)、医療用圧迫ストッキングの着用などがあります。

頭頸科

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頭頸科では、脳と目を除く頭部・顔面領域から、主に鎖骨の上までの領域(ときに縦隔も含む)に発生した腫瘍を扱います。この領域に発生した腫瘍が頭頸部腫瘍であり、良性のものと悪性のものがあります。頭頸部は呼吸をする、話す、飲み込むなど、日常の生活を送る上で大事な機能を担う領域であるため、それらの機能を考えた治療が求められます。また、治療の対象となる領域が、顔や頸(くび)といった見える場所であるために整容的な配慮も必要とされます。すなわち、病気を克服するという根治性を維持しながら、機能と形態を考慮した治療を目指さなければなりません。頭頸部がんの治療には、手術療法、放射線療法、化学療法の3つの治療法があります。これらの治療法の中から、全身の状態や、病気の状態に適した治療の選択が求められますが、頭頸科では、頭頸科医、放射線科治療医、放射線診断医、歯科口腔外科医、病理医等の専門医と連携し、カンファレンスで個々の患者さんの診断や治療法について話し合った上で、診断および治療法の検討をしております。
手術療法に関しては、頭頸部腫瘍の治療経験の豊富な頭頸科スタッフが治療を担当いたします。頭頸部がんだけでも約20年の間に1,000例以上の症例を扱ってきた経験を生かしております。高度な技術を要するマイクロサージャリ−を用いた遊離組織による再建手術を行ない、可能な限り機能を温存する手術も積極的に行っております。我々は、遊離組織による再建手術は今までに500例以上行っており、喉頭がんや下咽頭がんに対しても声を失わないように喉頭を温存する手術も数多く手がけております。根治性を優先するため、すべての症例にということは不可能ですが、これらの技術を用いることにより、機能や整容面に最大限配慮した治療を行う努力をしております。

対象疾患

喉頭がん、 咽頭がん、 甲状腺がん、口腔がん、鼻・副鼻腔がん、唾液腺がん、その他、頭頸部領域の腫瘍

診療の流れ

 初診 ➡ 画像検査、病理組織検査(前医で行っている場合は当院病理医による病理診断) ➡
 検査結果の説明 ➡ カンファレンスで診断および治療法の検討 ➡ 治療方針の説明 ➡ 治療開始

はじめて受診された患者さんには、まず外来で病気を詳しく調べるために必要な検査をさせて頂きます。主に、血液検査、CT検査、MRI検査、細胞の検査(細胞診)、組織の検査(組織診)など、必要な患者さんにはこれらの検査を受けて頂きます。これらの結果をもとに、診断と治療に関して、各専門領域のスタッフ(頭頸科医、放射線科治療医、放射線診断医、歯科口腔外科医、病理医)による合同カンファレンスで、個々の患者さんに最も適した治療法について話し合います。その結果を踏まえて、患者さんには病気の説明と治療法の提案をさせていただいています。

喉頭がん

「喉頭」は咽頭と気管の間にあり、呼吸をするときに空気を気管へ出し入れする入り口にあたる器官です。いわゆる「のど仏」とは、「甲状軟骨」という喉頭のフレームの一部のことで、頸(くび)のほぼ中央に触れることができます。喉頭の働きは、ご飯を飲み込む(嚥下)ときに、間違って気管に入らないようにブロックする(誤嚥防止)ことや、声帯という喉頭の一部の器官を振るわせることによって声を出す(発声)といった日常生活を送る上で、欠かせない機能を担っています。「喉頭がん」とは、発声や嚥下に関わる部位にできるがんということができます。また、喉頭がんは、喫煙との関係が強く、患者さんの喫煙率は90%以上といわれています。
「喉頭」は「声門」といって、「声帯」がある部位を中心に、「声門上」「声門下」と3つの部位に分けられます。すなわち、「喉頭がん」には、声帯にできる「声門がん」、その上にできる「声門上がん」、声門の下にできる「声門下がん」の3つがあります。頻度としては「声門がん」が一番多く、その次が「声門上がん」です。「声門下がん」は発生頻度が非常に低いがんです。

●声門がん
「声帯」にできるがんであるため、症状としては、声嗄れ(嗄声;させい)が出現します。その声の質は、粗慥性(そぞうせい)といわれるガラガラした声です。病気が進むと痰に血が混ざったり、呼吸が苦しくなってきます。頸(くび)のリンパ節への転移は比較的少ないのが特徴です。
●声門上がん
はじめは、のどの違和感や、咳といった症状が多いです。病気が進行すると、のどの痛み(咽頭痛)、飲み込んだときの痛み(嚥下痛)が出現し、がんが声門へ広がってくると声嗄れ(嗄声)や息苦しさ(呼吸苦)が出てきます。比較的リンパ節へ転移し易いため、頸(くび)のリンパの腫れ(頸部リンパ節腫脹)で気づかれることもあります。
●声門下がん
声帯の下にできるがんですが、症状が出にくいため、病気が進行し、がんが声帯へ広がってくることによる声嗄れ(嗄声)や息苦しさ(呼吸苦)で気づかれることがあります。

咽頭がん

「咽頭」とは鼻の奥から食道に至るまでの食物や空気の通り道です。すなわち、食べ物や息をする際の空気の通り道にできるがんということになります。咽頭は、鼻の奥から食道に至るまでの縦に長い臓器で、その高さによって上・中・下の3つの部位に分けられ、それぞれ「上咽頭」「中咽頭」「下咽頭」と呼ばれています。いわゆる扁桃腺は、中咽頭に含まれ、ご自身でも鏡などで見ることはできますが、中咽頭の一部や、上咽頭、下咽頭はご自身では見ることはできません。そして、それらの部位にできるがんをそれぞれ「上咽頭がん」「中咽頭がん」「下咽頭がん」と呼び、咽頭がんを部位により3つに分けています。
「上咽頭がん」「中咽頭がん」「下咽頭がん」は、それぞれ発生部位が異なるため、症状もそれらの部位によって異なります。以下に、部位ごとの咽頭がんの症状について説明いたしますが、いずれもはじめのうちには、軽い痛みやのどの違和感程度の症状であまり気づかれないことも少なくないため、注意が必要です。

●上咽頭がん
「上咽頭」は、鼻の奥に位置するため、鼻の症状として、鼻づまり(鼻閉)、鼻血(鼻出血)、耳が詰まった感じ(耳閉感:「耳管」という上咽頭と耳をつなぐ管が閉塞するためにおこる症状)、難聴、耳の痛み(耳痛)を自覚するといった特徴があります。進行すると、顔のシビレや物がだぶって見える(複視)など眼の症状がでることもあります。また、頸(くび)のリンパ(リンパ節)の腫れで気づかれることも少なくありません。
●中咽頭がん
はじめは、のどの違和感程度の症状を自覚されることが多いのですが、病気が進行すると、のどの痛み(咽頭痛)、出血、発音の悪化(構音障害)、腫瘍の影響でのどが狭くなることによるいびき、放散痛による耳の痛みなどがでることがあります。「中咽頭がん」の中でも頻度が多い扁桃にできるタイプのがんの場合には、鏡を見て腫れに気づかれることもあります。風邪でのどが痛いものと思っていても、なかなか良くならない場合には注意が必要です。さらに、がんがのどの奥深くに広がると、口が開きづらくなる症状(開口障害)がでることがあります。頸(くび)のリンパ節が腫れることも多いため、頸部のしこりで気づかれることもあります。
●下咽頭がん
はじめは、「のどがイガイガする」「のどに何かが引っかかった感じがする」などのどの違和感(咽喉頭異常感)が出現することが多いです。進行するとのどの痛み(咽頭痛)、飲み込んだときの痛み(嚥下痛)、ときに耳へ広がる痛み(耳放散痛)などが出現することがあります。さらに病気の広がりが進むと、飲み込みづらさ(嚥下障害)、むせ(誤嚥)、出血などが出現してきます。下咽頭は、喉頭との距離が近いため、「下咽頭がん」が喉頭へ進展すると声嗄れ(嗄声)や息苦しさが出現してきます。

甲状腺がん

「甲状腺」は、のど仏より下にあり、蝶が羽を広げたような形をした臓器です。その主な働きは、「甲状腺ホルモン」という物質を分泌することです。このホルモンには、新陳代謝の調節をする働きがあります。甲状腺にできるがんは、細胞の種類によって複数に分けられています。発生頻度では、以下の6つのがんで甲状腺がん全体のほとんどを占めます。
①乳頭がん、②濾胞がん、③髄様がん、④低分化がん、⑤未分化がん、⑥悪性リンパ腫。
これらの中でも、「乳頭がん」が最も発生頻度が高く、甲状腺がん全体の9割近くがこのタイプのがんです。再発を繰り返し、生命を脅かすタイプの乳頭がんがごく一部ありますが、通常は再発なく経過することがほとんどです。反対に、頻度は非常に少ないのですが、「未分化がん」は進行が非常に早く、生命を脅かすがんとして知られています。
「甲状腺がん」は、そのほとんどが分化型のおとなしいがんです。病気の進行もゆっくりしていることがほとんどです。そのため、がんが小さい段階では、ご自身で気づかれることは難しいと思います。健康診断や、他の病気で検査などを受けた際に、偶然発見されることもあります。ある程度腫瘍が大きくなると前頸部に固いしこりとして触れる場合や、周囲の臓器、例えば反回神経(声帯を動かす神経)に浸潤することで声嗄れ(嗄声)が出現することがあります。
甲状腺がん(乳頭がんの場合)と診断を受けた場合でも、その後の経過で生命に関わるようなことはほとんどありません。しかし、進行の早いタイプのがん(未分化がんなど)では、頸部の痛み、声嗄れ(嗄声)、飲み込みにくさ(嚥下障害)、息苦しさ(呼吸苦)、全身倦怠感など重篤な症状を伴うことがありますので、まずは専門病院にご相談になることが大事だと思います。

口腔がん

口の中にできるがんを「口腔がん」と呼びます。「口腔がん」の代表的なものに「舌のがん」、すなわち「舌がん」があります。その他にも、「口腔底がん(舌と歯ぐきの間にできるがん)」、「歯肉がん(歯ぐきのがん)」、「頬粘膜がん(頬の内側の粘膜にできるがん)」などが含まれます。
「口腔がん」は、口の中の病気であるため、ご自身で気づかれることが多いという特徴があります。はじめは、硬いしこりとして触れるだけのことが多いです。腫瘍のかたちは、盛り上がっていたり(外向型)、へこんでいたり(内向型)とさまざまです。特に「舌がん」の場合には、舌が部分的に白くなっていたり(白斑:はくはん)、赤くなっていたりすること(紅斑:こうはん)もあります。口内炎と思っていても、同じ場所が1ヶ月以上経っても治らない場合には注意が必要です。また、病気が進行してくると、舌の運動が悪くなることで話しづらくなってきたり(構音障害)、飲み込みづらくなってきたり(嚥下障害)しますので、そのような場合には、早めの受診をおすすめします。

鼻腔がん・副鼻腔がん

「鼻腔(びくう)」は、鼻で呼吸をするときに、最初に空気が通る道です。その内部は、「鼻中隔」と呼ばれる鼻の仕切りで左右の鼻腔に分けられています。鼻腔内には3つのひだがあり、それらのひだはその位置から「上鼻甲介」、「中鼻甲介」、「下鼻甲介」と呼ばれています。それらの「鼻甲介」を含め、鼻腔内は全て鼻粘膜で覆われており、そこから発生したがんを総じて、「鼻腔がん」と呼んでいます。一方、「副鼻腔」とは、鼻腔の周囲にある空間(洞)のことを言います。「前頭洞」「上顎洞」「篩骨洞」「蝶形骨洞」と計4つの空間(洞)が存在しています。いわゆる「蓄膿症(ちくのうしょう)」とはこれらのいずれか、もしくはそれらの組み合わせ(全て)が感染し、炎症がある状態を呼んでいます。「副鼻腔がん」とは、すなわち蓄膿症が起こる場所に発生したがんのことです。これら4つの副鼻腔のうち、特にがんが発生しやすい部位は、上顎洞で、「上顎洞がん」と呼んでいます。鼻・副鼻腔がんは頸部リンパ節への転移が少ないことが特徴です。

●鼻腔がん
鼻の違和感、鼻の痛み(鼻痛)、鼻血(鼻出血)、鼻水(鼻汁)、鼻づまり(鼻閉)などの症状が出現します。
●副鼻腔がん
「副鼻腔」は左右4対あり、部位も異なるため、がんの発生する部位で症状は変わります。また、副鼻腔を取り囲む骨は薄いため、がんは比較的隣接臓器へ進展し易く、それらの臓器特有のさまざまな症状を呈します。また、眼や脳といった重要な臓器が副鼻腔に隣接しているため、これらの臓器に浸潤することで、眼の症状や頭の症状が出現してきます。
具体的には、
・副鼻腔がんが眼の方向へ進展した場合:眼が突出したり(眼球突出)、物が二重に見えたりします(複視)
・副鼻腔がんが鼻腔へ進展した場合:鼻閉、鼻出血、鼻汁、頭痛、涙が出るなどの症状が出現することがあります。
・副鼻腔がんが上あご(口蓋)へ進展した場合:歯が浮いた感じ、歯ぐきの腫れ、歯痛、上あごの腫れなどがみられます。
・副鼻腔がんが顔の奥へ進展した場合:頭痛、眼球突出、眼の動きの障害(眼球運動障害)、視力の低下(視力障害)、視野の障害(視野障害)などがみられます。
・副鼻腔がんが顔面方向へ進展した場合:顔の赤み、腫れ、痛みなどの症状がみられます。

●唾液腺がん
「唾液腺」とは、口腔内に唾液を分泌する臓器です。左右3対の「大唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)」と多数の「小唾液腺」があります。その中で最も大きい組織が、「耳下腺」で、耳の前から下にかけて存在しています。おたふく風邪のときに腫れるところと言えばわかり易いかも知れません。その次に大きな唾液腺が、「顎下腺」です。顎下腺は、あごの下で、少し後ろ側にあります。それらの腺から作られた唾液が、口腔内に分泌され、口の中を潤したり、食事の際には、消化を助けたりする働きをしています。「唾液腺がん」とはこれら唾液腺組織から発生したがんのことですが、耳下腺に発生した場合には、耳下腺がん、顎下腺に発生した場合には、顎下腺がんといったように、それぞれ発生した腺組織で病名が決められています。唾液腺がんは、頭頸部がんの中でも、頻度の少ないがんです(全頭頸部がんの内、5%未満)が「耳下腺がん」と「顎下腺がん」でそのほとんどを占めています。すなわち、「耳下腺がん」が7割程度、「顎下腺がん」は2〜3割程度です。舌下腺がんの頻度はさらに低くなります。
唾液腺がんは、病理組織型の種類が非常に多いことが特徴です。さらに同じ組織型であっても臨床的な悪性度が異なることがあり、治療計画が難しくなってしまいます。通常、がんの診断には、まず組織検査を行い、病理診断がついてからの治療となりますが、唾液腺がんの場合には、治療前の検査で診断がつけにくいという側面があるため、術前の診断では良・悪性の判断がつかないことがあります。そのため、悪性が疑われていても、手術前にはっきりとがんと診断がついていない場合には、手術中に腫瘍組織の一部を病理組織検査へ提出(術中迅速診断)し、その場で診断をつけて、手術内容を決定する必要があります。その際には、最終的な診断(最終病理診断)ががんであっても十分に治療として完結できるような治療内容が求められます。これは他の頭頸部がんがほとんど「扁平上皮がん」という単一の組織型から構成されているのと大きく異なる点です。

●耳下腺がんの場合
はじめは、耳下部、耳前部の腫れで自覚されます。通常は痛みのない腫れのことが多いのですが、痛みを伴うこともあり、その場合にはがんの可能性が高くなります。また耳下腺の中には顔面神経と呼ばれる、顔を動かす神経が走っているため、がんがこの神経に浸潤すると顔面神経麻痺という顔の麻痺が起こることがあります。その他に、頸部リンパ節転移の結果、頸のしこりとして自覚されることもあります。
●顎下腺がんの場合
顎の下の腫れで気付かれることが多いです。耳下腺がんと同様に腫れた腫瘍に痛みを伴うことがあります。耳下腺がんと同様、頸部リンパ節転移を首のしこりとして自覚されることもあります。
●舌下腺がんの場合
口腔底が腫れてきたり、顎の下が腫れてきたりします。口腔がんの項目で説明した「口腔底がん」との見分けがつけづらいことも多く、病理検査で診断がつくことがあります。また、頸のしこりとして自覚されることもあります。

乳腺外科

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乳腺外科では乳がんを中心とした乳腺疾患の診断と治療を行っています。乳がんは近年増加しており、特に比較的若年の家庭や職場で重要な役割を担う女性に多く発生する病気です。当科では乳がんで苦しむ患者さんやご家族を少しでも減らせるように、日々診療を行っています。
診断に関しては、最新のデジタルマンモグラフィや超音波を導入して画像診断を行っています。マンモグラフィに関しては、複数の読影認定医による画像の確認(ダブルチェック)を行っています。必要があれば、病理医と連携して細胞診や生検を、放射線読影医と連携してMRIやCT検査を行っています。
治療に関しては、標準療法による治療を原則としています。特に乳がんは他の臓器のがんと比較して標準療法が整っています。標準療法は数年ごとに更新されますが、日本、欧米ともに比較的充実しており、「ガイドライン」として公開されています。当科では、日本乳癌学会による「乳癌診療ガイドライン」を始め、米国の「NCCNによる診療ガイドライン」、欧州のザンクトガレン会議による「薬物療法ガイドライン」等を中心に最新の知見を加味して治療方法を決定しています。
当科の診療方針に関して、疑問な点がある場合や、他の医療機関に相談したい場合はセカンドオピニオンを利用することができます。単独の医療機関での知見だけではなく、より多くの専門家の意見を聞くことが有用なこともあります。希望される場合は遠慮なく申し出てください。

対象疾患

乳がん

乳がんは乳腺にできる悪性の腫瘍です。乳がんは近年増加しており、現在、日本人女性の12~13人に1人が一生涯のうちに乳がんになる頻度となっています。今後さらに増加することが予想されています。乳がんは他の臓器にできるがんと比較して、若年(30歳代後半~40歳代)からできることがあります。また、近年は50~60歳代の乳がんが増えてきています。従って、すべての成人女性は乳がんになる可能性があると自覚することが大切です。乳がんは他の臓器にできるがんと比較して、治療成績が良い腫瘍です。早期発見のために積極的に検診を受けることがなにより重要です。また、乳腺は自分で触ることができる臓器なので、自分でしこりや分泌などの異常がないかどうかを確認することができます(自己健診)。下記の症状を参考にして月に1度自己健診を行うことを心がけましょう。

乳腺の良性腫瘍

乳腺には良性の腫瘍も発生します。線維腺腫や過誤腫が代表的なものです。良性腫瘍はとくに50歳未満の比較的若年の女性に多く発生し、がんよりも頻度は高いです。良性腫瘍は典型的なものでは治療の必要はありません。ただし、悪性の腫瘍と見分けづらいものや、痛みなどの症状がある場合、大きなものは治療の対象となることがあります。

その他の乳腺腫瘍

頻度は低くなりますが、乳腺には良性と悪性の境界の腫瘍が発生することがあります。葉状腫瘍や乳頭腫が代表的なものです。これらは、大部分が良性の腫瘍ですが、まれに悪性のこともあるため、基本的には精査および治療の対象となります。治療には手術が必要ですが、がんとは切除の方法が大きく異なります。

乳腺症

乳腺症とは、乳腺が女性ホルモンの影響を受けて良性の変化を起こしたものをいいます。その変化の中で、症状として、乳腺の痛みや張った感じ、一時的に硬くなった感じなどが出現します。また、超音波(エコー)検査では、のう胞(体液が貯留したもの)が見られることがあります。閉経前の女性では生理の前後に症状が出やすいですが、閉経後の女性にも発生します。乳腺症は軽いものを含めると、大部分の女性が持っていますので、臨床上はほとんど治療の対象とはなりません。乳がん検診などで、「乳腺症があります」と言われた場合は、基本的には「問題ありませんでした」と言われたと同じととらえて構いません。症状が強いときや、のう胞が大きな場合には精査をしたり、治療を行うことがあります。

乳腺炎

乳腺炎は乳腺に炎症がおきることで、授乳期に乳汁が詰まったり、授乳期ではなくても、乳腺に感染を起こすことにより発生します。授乳期であれば授乳や母乳マッサージによる搾乳を行うことで大部分は改善します。授乳と関係がないものでも無治療や抗生剤の投与で改善することも多いです。当科では、授乳期には乳児に影響が無いとされる薬のみを処方しています。乳腺炎はときに重症化して膿が溜まり、乳腺膿瘍となることがあります。その場合は穿刺(針を刺すこと)、洗浄を行ったり、切開して排膿する処置が必要となります。これらは病態によっては必要な処置ですが、一度切開を行うと炎症や膿瘍が将来的に再燃する可能性が高くなります。

症状

しこり

乳がんが発見される最も多い症状がしこりです。良性の腫瘍でも、しこりを触れることがあります。月に1度程度自己健診を行うことが大切です。乳がんの場合は硬いしこり(梅干しの種くらい)として触れることが多いです。良性のしこりは柔らかく、弾力があり、押すと移動することが特徴といわれますが、しこりに気がついたときは乳腺外科を受診しましょう。しこりを触れないタイプの乳がん(非触知乳がん)もありますので、定期的な検診(年1回が基本)を受けましょう。

分泌

授乳期以外に乳頭から分泌がある場合は基本的には異常があるとみなされます。乳腺外科を受診してください。大部分の分泌は良性の病気、または病的な意味がないものですが、乳がん、特に早期の乳がんで分泌を認めることもあります。中でも、分泌が一方の乳腺からのみで、色の濃い分泌(赤または茶色)の場合は注意が必要です。

痛み

痛みは乳腺に出る大変頻度の多い症状です。大部分の痛みは心配のない(良性の)痛みです。治療を行わなくても、自然に軽快して無くなることが多いです。特に生理前後にだけ発生する痛みや痛む場所がころころ変わるような痛みは心配のない痛みです。また、毎日乳腺を触ったりすると刺激により痛みが出現しやすくなります。自分で乳房をチェックすることは大切なことですが、月に1~2回程度で十分です。痛みが原因でがんなどの病気が見つかることもあります。痛みが持続(1か月以上)する場合や痛みが強くなり、がまんできない場合は乳腺外科を受診してください。

乳頭の症状

上記の分泌以外に、乳頭の形に変形があったり、乳頭がひきつれて先端の方向が変わったり、乳頭を中心に皮膚のただれがある場合には病気が見つかることがあります。陥没乳頭(乳頭陥凹)は以前になかったものができた場合は注意が必要ですが、生まれつきの場合は病的な意味合いはありません。

皮膚の症状

皮膚のくぼみ(えくぼ様)や飛び出し、変色(赤み)がある場合は注意が必要です。乳がんではこれらは痛みを感じない場合がほとんどです。以前になかったこのような症状が新たに出てきた場合は乳腺外科を受診してください。

腋(わき)の症状

乳腺に明らかな異常がなくても、腋にしこりがあり、精査を行ったところ、乳がんなどの病気が見つかることがあります。腋のしこりの多くはリンパ節の腫れです。特に、痛みがなく、急に大きくなってきた腋のしこりがある場合は注意が必要です。乳房の自己健診を行うときに、腋も簡単にチェックするといいでしょう。

婦人科

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婦人科は女性の総合的なケアを考えた外来を行っております。婦人科の一般検診、腫瘍、子宮脱、尿漏れ、子宮内膜症、更年期・骨粗鬆症、婦人科漢方など、ほとんどの分野を対象としております。入院・手術が可能で、低侵襲でかつコスメティックにも優れているとされる内視鏡下手術(腹腔鏡下・子宮鏡下手術)が中心の手術を積極的に行っており、また悪性腫瘍に対しては完治を目指した集学的な治療を行っております。さらに女性特有の子宮脱、尿漏れなどの症状には、機能回復を目標に根治を目指しております。

主な疾患について

婦人科悪性腫瘍

子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどが挙げられます。
子宮頸がんはヒトパピローマウィルスが原因でがん化をきたすと指摘されておりますが、受診時の状況、年齢、ウィルスのタイプに合わせた治療を行っております。
子宮体がんは閉経後不正出血や検診で偶然見つかることが多いがんですが、発見し次第なるべく早く手術療法を行うようにしております。
卵巣がんは近年徐々に増えている難治性がんのひとつです。症状が出にくいため、発見時はかなり進んだ状況で発見されることが多いのですが、根治手術と術前術後の化学療法が期待できるがんです。
多くの悪性腫瘍を診察してきた婦人科腫瘍専門医が診察し、専門の病理医、最新鋭の画像機器と放射線読影医が迅速なる診断を提供してくれます。可能な限り待たせない医療をめざし、腫瘍専門医が広汎性子宮全摘術や骨盤・傍リンパ節郭清術などを行います。輸血を極力回避し、早期根治を目指す治療を行っております。また、化学療法、放射線療法も当院で完結します。他院で治療がもう難しいといわれた方の治療も検討しております。

婦人科良性腫瘍

卵巣腫瘍に限らず子宮筋腫に対しても、多くの手術を腹腔鏡下にて行っております。
卵巣腫瘍は腫瘍部分だけを核出し正常部分をなるべく残存することで機能を温存することに心がけております。
子宮筋腫におきましては、ご希望があれば年齢に関わらず子宮温存手術を行っております。低侵襲かつ美容に心がけた手術が特徴です。またホルモン療法で手術を回避し、子宮筋腫の縮小をはかる治療も行っております。

子宮脱、尿漏れ

人にはあまり言えない病状ですが、外陰部に触れるものがあることで婦人科を受診されることが多い病態です。この場合、子宮が降りてきたり膀胱が下垂したりして触れます。他の症状として、お小水が近かったり、おなかに力が加わった際に尿が漏れたりします。過去に重いものをよく持つ機会がある、便秘、難産の経験などが原因となって、骨盤の筋肉や組織が損傷を受けることが原因です。この場合、病状の改善や排尿困難を改善するため、機能回復をめざした手術療法、薬物療法を行っております。メッシュ挿入術、子宮摘出術、腹腔鏡による子宮脱手術など、患者様の病態、体格、年齢などを考慮し手術術式を決定します。尿漏れは最新のメッシュを使った根治術を施行しております。

子宮内膜症

多くの女性は、毎月子宮内膜が剥離し、月経となって体外へ排出されます。この子宮内膜が、骨盤腹膜や、卵巣などの中に入り込み増殖する場合を子宮内膜症と呼びます。 月経に伴って組織の中に出血するため月経痛が強く、慢性的な骨盤痛や性交痛を訴えるかたもいます。不妊の原因のひとつとも考えられています。ホルモン療法、手術療法、薬物療法など様々な治療法があり、患者様と相談して一人一人に合った治療法を検討いたします。

不妊症

ご希望に沿って不妊検査及び治療を行っています。ホルモン検査、精液検査、子宮卵管造影検査など必要な検査を行った後に、排卵誘発剤(内服薬または注射薬)投与及び人工授精を組み合わせて治療します。体外受精が必要と判断された場合には高次施設へご紹介いたします。



当院婦人科は他の科と少し離れた位置にあり、待合室も女性のための待合室となっております。他の方とあまり合わないように予約制をしいて、プライバシーを守れるように配慮しております。気楽に受診いただけるようお待ちしております。

放射線治療科

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主治医の先生から「がん」と言われたり、放射線治療を勧められたりしたらご相談ください。

対象疾患

根治的放射線治療:頭頸部がん(咽頭がん・喉頭がん)、食道がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、膀胱がん、子宮頸がんなど

一般的に以下の場合、根治的な放射線治療が可能です(病気によって異なります)。

  • 病理組織学的にがんと診断されている、あるいはがんと強く疑われる。
  • 複数の遠隔転移が存在しない。
  • 全身状態が良好である。
  • 放射線治療中の姿勢保持が可能。
姑息的放射線治療:骨転移、脳転移、上大静脈症候群、脊髄不全麻痺など

がんに伴う症状(痛み、圧迫、出血など)を抑える・改善するための放射線治療です。根治的放射線治療と異なり、あまり全身状態などの制限はありません。

いずれも病気の進行度やからだの状態により、放射線治療が可能かどうかは変わってきます。

放射線治療について

放射線の種類

放射線にはさまざまな種類がありますが、がん治療に使われるのは光子線(X線、ガンマ線)と粒子線(陽子線・炭素線)があります。札幌禎心会病院陽子線治療センターでは将来の陽子線治療に向けて準備を行っております。
以下はX線治療に関する説明です。

なぜ、がんに効果があるのか?

放射線は原子核の周囲を回っている電子をはじき飛ばします。細胞の中ではじき飛ばされた電子は、細胞核の中にあるDNAを切断してしまいます。細胞にはDNAを修復する力があり、通常、切断されても数時間で修復されます。一方DNAが修復されなかった場合、細胞は分裂し生存することが出来なくなり、数時間から数十日を経て死んでいきます。
放射線は分裂が盛んな病気ほど影響を及ぼしやすい性質を持っています。がん細胞は正常細胞に比べて分裂が盛んなので、がんのある場所に放射線を照射すると、正常細胞は修復されますが、がん細胞は修復が追いつかずに段々と死んでいきます。この差を利用することにより、がん細胞を死滅させ、正常組織を残すことが可能になります。従って、正常臓器の機能や形態を残しつつ、がんを根治することが可能な治療法です。

対象疾患

がん治療には大まかに分けて、がん病巣を治療する局所治療と、全身を治療する全身治療があります。全身治療の代表が抗がん剤治療、局所治療の代表が手術と放射線治療です。放射線治療の対象は①手術と同じく遠隔転移が無いがん(根治的放射線治療)②がん病巣による痛みなどの症状がある場合(姑息的放射線治療)に大まかに分けられます。
特に早期の頭頸部がん、乳がん、食道がん、肺がん、前立腺がん、膀胱がん、子宮頸がんに対する放射線治療は手術と同等の治りやすさで、臓器の温存が可能というメリットがあります。また進行がんでも抗がん剤を併用することにより、手術に劣らない成績の疾患も多数あります。
一般的に放射線治療が行えないがんの種類はありませんが、胃がんや大腸がんなどの、臓器自体があまり放射線に対して強くない疾患では、放射線治療が有効とはいえないのが現状です。

放射線治療の種類

放射線治療は、からだの外から放射線を照射する外照射と、からだの内部から放射線を照射する内照射に大別されます。現在、放射線治療の中心は外照射で、当院にて受けられる治療も外照射となっています。
当院で行っている外から放射線を照射する治療法は、三次元原体照射と呼ばれるものです。これは多数の方向から、がん病巣の形に合わせて放射線を照射する治療法です。この三次元原体照射をさらに進化させたのが、定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)になります。
定位放射線治療とは、ごく狭い範囲に放射線治療を集中させ、がんだけに高い線量が当たるようにしたピンポイント治療のことです。一般的な放射線治療(3次元原体照射)に比較して、副作用は少なく、短期間で高い効果が得られます。主に病変の小さい肺がん、肝がん、脳腫瘍に対して行われます。
強度変調放射線治療(IMRT)は、名前に表されるとおり、複数のビームを組み合わせることで放射線に強弱をつけ、一方向のビームの中に線量の高い部分と弱い部分を意図的に作る治療法です。IMRTによりがん病巣に放射線を集中し、周囲の正常組織への照射を減らすことができるため、副作用を増加させることなく、よりたくさんの放射線をがん病巣に照射することが可能となります。日本でも急速に普及しつつあり、特に前立腺がんや頭頸部がんで高い効果を発揮しています。
当院では、この定位放射線治療と強度変調放射線治療の両方に優れた、最新の治療装置を備えています。またより効果を高め、副作用を減らすために画像誘導放射線治療(IGRT)も積極的に行っています。

放射線治療の手順

最初に放射線治療医の診察を受け、治療に必要な検査を行い、治療方針や内容について話し合います。その後、まず治療中に体が動かないようにするための固定具を作成、放射線の治療計画を行うためのCT(コンピュータ断層撮影)画像を撮像します。このCT画像を使い、放射線治療医と医学物理士が治療計画を立てることになります。
治療計画とは、その患者さんにとっての放射線治療の「設計図」ともいえる、重要なものです。治療計画用に撮像したCTを専用のコンピュータに取り入れ、どの範囲に、どの方向から、どのくらいの量を、何回にわけて照射するのかを決めていきます。治療計画が出来上がった後、実際に装置を操作する放射線技師が確認します。その際に患者さんの皮膚に印(マーキング)を付ける場合があります。その後実際に治療可能か、確認が終了してから放射線治療が開始になります。

放射線治療の回数

根治的放射線治療は通常、月曜日から金曜日の週5日、1日1回の照射を5~8週間続けることになります。1回の放射線治療は20分程度です。治療中は定期的に診察があり、医師により効果の判定や、副作用のチェックが行われます。
放射線治療はがん細胞と正常細胞の、放射線に対する修復力の差を利用した治療法です。実際にはこの差は大きなものではありません。両者の差を広げるための工夫が必要になります。あまり沢山の放射線を一度に照射するとがん細胞も正常細胞もやられてしまいます。1回の放射線の量を少なくし、またがん細胞の修復を少なくするために、継続的に治療を行う必要があります。がんの根治を目指すためには、総線量は通常60~70Gyという多くの放射線量が必要です。

治療効果

放射線治療は、がん細胞のDNAを切断して細胞分裂を止め、細胞が自滅するように導く治療法です。従って、放射線治療を開始してから、がん細胞が死滅するまでにはタイムラグがあります。最初は細胞レベルでの変化が起こり、見て分かる効果が現れるまでには、ある程度の期間が必要です。その期間はがんの種類によって異なります。悪性リンパ腫では治療開始直後から病変が縮小していきますが、扁平上皮がん、腺がんなどの種類では治療中盤から後半にかけて病変が縮小していきます。また放射線治療がすべて終了してからがん病巣が縮小していくがん種も存在します。

副作用について

放射線の細胞を壊す力は正常細胞にもダメージを与えます。その結果、さまざまな副作用(有害事象)が生じることになります。放射線治療による副作用は、その発生時期から2種類に大別されます。
治療中に起こる副作用を急性期有害事象と呼びます。これは多かれ少なかれ放射線治療を行った患者さん皆さんに生じます。急性期の有害事象では放射線が照射された部位の炎症が生じます。例を挙げますと、皮膚に放射線が照射されれば放射線皮膚炎、食道に放射線が照射されれば放射線食道炎、などが生じます。治療後半になるとこれら炎症による症状が出現していきますが、放射線治療が終了すると徐々に改善し、元に戻ります。
一方、注意が必要なのが晩期有害事象です。これは放射線治療が終了してから数か月、あるいは数年以上経過してから起こる副作用です。皆さんに起こる訳では無く、放射線治療を受けた患者さんのうち、数%に生じる可能性があります。起こる可能性は少ないのですが、一端起こってしまうと症状が強かったり、なかなか治りづらかったりします。従って、放射線治療が無事終了した後も、定期的な経過観察や検査が非常に重要です。

放射線治療期間中の生活

一般的に手術とは異なり放射線治療は外来通院でも治療可能です。放射線治療自体は数~数十分で終わり、また全身的な副作用も生じません。従って仕事や家事などを行いながら治療を受けていらっしゃる患者さんもたくさんいます。抗がん剤治療を併用する場合には一般的に入院治療が必要です。 たばこは放射線治療の効果を弱め、副作用を強くしてしまう働きがあり、治療中は禁煙が必須です。お酒は放射線治療の部位によりますが、機会があるときに少量であれば構いません。入浴は可能ですが、放射線が当たる範囲の皮膚は弱くなっているので、ゴシゴシ擦らないようにし、皮膚の“しるし”(マーキング)を消さないようにする注意が必要になります。

セカンドオピニオン外来も行っております。

放射線診断科

ドクターのご紹介


画像診断機器は日進月歩で発達しており、さまざまな種類の画像が撮影され、さらに撮影された画像の後処理技術も多岐にわたり、専門の処理技術が必要となっています。画像の中に描出されている病態の解釈にも専門的な知識が必要となっています。医療の専門化・細分化が進む中で、画像診断科は画像診断に特化した専門の医師が担当し、主治医と協力して患者さんの病態診断および治療に画像情報を最大限有効活用するために日々努力しています。 当院では2人の画像診断専門医がCTとMRIの画像診断を担当しており、320列と80列の多段面撮影が可能なCTが各1台、1.5T(テスラ)と3TのMRIが各1台稼働しています。 CTやMRIはただ撮影すればよいという訳ではなく、主治医と綿密に連携し、限られた検査時間の中で病態診断に必要な情報が得られるよう撮影法の調整、最適化が必要です。診療放射線技師と協力し、撮影法の最適化を図るのも放射線画像診断医の役割です。 一方、当院の関連施設には他に4人の画像診断専門医が所属しています。各施設の画像情報は専用のインターネット回線で結ばれており、定期的な勉強会の他、画像所見について常時、相談し合える環境を整えています。 普段、患者さんと接する機会はあまりありませんが、病院内の他の職種と同様に、主治医と協力して患者さんへ最良の医療を提供するように努めています。

形成外科

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形成外科とは身体に生じた組織の異常や変形、欠損、整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能だけでなく形態的にも正常に、美しくすることによって、QOL(生活の質)の向上に貢献する外科系の専門領域です。
傷や変形をきれいに治すことを主な目的とし、必要に応じて他科の専門医と協力して治療を行っています。

対象疾患

  • けが
  • やけど
  • あざ
  • 腫瘍
  • 先天異常
  • 皮膚潰瘍

ペインクリニック外科

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ペインクリニックは、さまざまな痛みの診断、治療を行う「痛み専門の診断治療部門」です。「痛み」はとても複雑で深刻な問題です。これまで多くの疾患の診断学が飛躍的に進歩してきましたが、痛みそのものに対する診断・治療葉確立されてきませんでした。その理由は、痛みそのものがどの程度のものかなどの客観的な評価が難しい主観的な経験、感覚である症状の一つだからです。近年、痛みに対する研究や治療方法の発達により、ある程度、痛みの仕組みは明らかになってきています。例えば、長く続く痛みにより、「痛みの悪循環」に陥り、痛みそのものが強くなり難治性となってしまうことがあります。痛みの治療として、この悪循環を断ち切ることは重要です。
ペインクリニックにおける痛みの治療方法としては、神経ブロック、薬物療法、椎間板内治療、脊髄電気刺激、光線療法などが挙げられます。当院では、痛み治療の専門知識と技術を持った専門医が、症状や身体的所見、種々の検査から痛みの原因を診断し、適切で有効な治療を選択して行い、痛みからの解放と健康な日常生活への早期復帰をサポートします。

対象疾患

  • 腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰痛や下肢のしびれ痛
  • 頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアなどの頚部上肢のしびれや痛み
  • 片頭痛や緊張性頭痛などの頭痛
  • 帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛
  • 三叉神経痛
  • 手術後や外傷後の長引く痛み
  • 幻肢痛
  • 肩関節、膝関節の痛み
  • バージャー病や閉塞性動脈硬化症などによる末梢血流障害による痛み
  • 顔面神経麻痺、顔面・眼瞼痙攣、突発性難聴

治療方法

神経ブロック療法

神経ブロックとは、神経やその近くに針で直接薬液を注入し、神経の興奮伝達を一時的、または長期にわたり遮断することです。これは、薬剤を口から服用して体全体に薬物が作用するのと違い、痛みを伝えている神経そのものに薬液を効かせる方法です。神経ブロックには約50もの種類があります。神経ブロックによる効果には、知覚神経ブロックによる除痛効果、交感神経ブロックによる血行改善効果、内臓神経ブロックによる内臓痛除痛効果、運動神経ブロックによる筋弛緩効果、痛みの悪循環を断ち切る効果があります。

椎間板内治療

椎間板に痛みの原因がある椎間板ヘルニアや椎間板症性腰痛に適応があります。治療法として椎間板造影・圧注入法、経皮的髄核摘出術、髄核高周波熱凝固法が挙げられます。

脊髄電気刺激療法

痛みは痛み信号が皮膚などから末梢の神経へ行き、脊髄を通り脳に伝わってはじめて感じます。脊髄刺激療法は痛みの信号が脳に伝わる前に、脊髄に微弱な電気を流すことで、痛みの信号を伝わりにくくすることによって痛みをやわらげる方法です。薬物療法や神経ブロックなどで、鎮痛効果が十分に得られない場合に考慮される方法です。腰椎手術後腰下肢痛、神経障害による痛み、幻肢痛、脊髄損傷後痛、帯状疱疹後神経痛などに適応があります。

薬物療法

痛みのメカニズムが明らかになるに従い、いろいろな鎮痛薬が開発されました。痛みの原因に応じた鎮痛薬の適正な選択を行うことが非常に重要となってきます。

麻酔科

ドクターのご紹介


当院では脳神経外科の手術麻酔に加えて、頭頚部外科、脊椎外科、形成外科などの外科手術を麻酔科指導医、麻酔科専門医の4人の麻酔科学会認定の専従専門医を中心に各科の手術を安全にできるように麻酔管理を行っています。
特に、脳神経外科などは手術中の脳神経障害を監視する目的で運動神経や感覚神経の伝導路の術中モニター(MEP:motor evoked potentialやSEP: sensory evoked potential)を測定することが通常で行われている。このMEPやSEPモニターには日常臨床でよく用いられる吸入麻酔薬が影響することが知られており、当院ではこの測定に影響しない静脈麻酔やプロポフォールと鎮痛薬レミフェンタニルを用いて麻酔管理を行っています。この麻酔では個々の患者さんの年齢や体格などを考慮することが重要で、コンピュータで制御した正確な薬剤投与システムを用い、同時に脳波モニターを測定して安全で確実な麻酔維持管理を行っています。
その他の外科系手術も含めて、全身麻酔は気管挿管操作の安全性及び確実性を確保するために近年普及してきているビデオ付き喉頭鏡を用いた気管挿管の導入を積極的に推進しています。また、全身麻酔中のバイタルサイン(血圧、脈拍、体温、呼吸状態など)を自動的に取り込み記録する自動麻酔記録システムを用いて医療のより安全な管理を行っています。
手術の前後には、専従麻酔専門医および手術室勤務の看護師が麻酔のリスクやポイントなどを丁寧に説明させて頂いておりますので、ご質問がありましたらご遠慮無くご質問ください。

病理診断科

ドクターのご紹介


病院病理診断科は日本病理学会認定病理専門医と日本臨床細胞学会認定細胞検査士資格を有する臨床検査技師から構成され、双方の協力によって精度の高い病理診断を目指しています。
病理診断医は患者さんの前に姿を現すことはほとんどありません。しかし「患者さんの病気は果たして何なのか?」「体の中で一体何が起きているのか?」を細胞レベルで「最終診断」しているのが病理診断医です。
最良の治療を選択するためには病気の正確な診断が必要です。当科では、内視鏡や手術などにより患者さんから採取された病気の一部や、おしっこなどから採取された細胞から顕微鏡標本を作製し、病理診断を専門とする医師である病理専門医が顕微鏡下に細胞形態や構造を観察し、必要であれば病的な細胞が作り出すタンパク質や病気の原因となる遺伝子の検査を行うことにより正確な病名を診断しています。
また、手術で切り取られた臓器からは病気がどのくらい進行しているかなどの最終診断をしています。これらの結果を主治医に報告することで患者さんは最も効果が見込める最先端の治療を受けることができるとともに、手術後に受けるべき最も良い方針を決定することができます。
さらに、CTやMRIなどの画像検査や血液検査では病名がはっきりとはわからない場合は、手術中に病気の細胞そのものを顕微鏡で直接観察することで病名を診断し、最も良い手術の方法を術者に報告することができるようになります。また、切除断端の組織を調べることにより、がんの取り残しのない正確な手術や、身体に必要以上の侵襲を与えない高レベルな治療を提供することが可能となります

病理診断科を設置している病院は決して多くはありませんが、当院では病理診断科があることで、患者さんに大きな利益をもたらし、高レベルな医療を提供しています。

診療内容

病理組織診断

内視鏡検査で見つかった胃潰瘍、手で触れる胸のしこり、皮膚のできものなどは、見た目だけではそれがどのような病気か正確にはわからないことも少なくありませんし、見た目が同じでもたちの良いものも悪いものもあります。このような時は、病気の一部を採取し、病理診断を行うことにより正確な病名が決定され、病気の治療方針が決まります。これを生検組織診断と呼びます。
手術で切除された臓器は、病気の全体を顕微鏡レベルで観察することで、病気の診断はもちろん、たちの良いものなのか悪いものなのか、病気がどのくらい進行しているか、転移はないか、治療はどのくらいの効果あったかなどを診断し手術後の治療方針を決定します。


検査から治療、病理診断の流れ

全身のがんは百種類以上、脳腫瘍一つを取っても数十種類以上があり、その性格はさまざまです。これらを顕微鏡で観察することにより、小さいうちから転移し頻繁に再発するようなたちの悪いものなのか、手術でしっかり取り切れば大事には至らないものなのか、治療がよく効くタイプなのかなども病理専門医が診断しています。

術中迅速診断

手術中に採取された病変を、特殊な方法用いて顕微鏡標本とし、病理診断を行うことを術中迅速診断と言います。病変が悪性か良性か、病変が取り切れているかどうか、リンパ節や腹膜への転移がないかなどを約15分から20分程度で診断し、執刀医に直接連絡することでリアルタイムに手術方針を決定することができます。
術中迅速診断によってがんの種類ごとに最適な術式が選択可能になります。必要以上に大きく切り取る必要がなくなり、さらに切り口(切除断端)を調べることでがんの取り残しの可能性を低くするなど、術中迅速診断ができることは、当院で手術を受ける患者さんにとても大きなメリットがあります。

細胞診

喀痰や尿、お腹や胸に貯まった水(それぞれ腹水、胸水と言います)に混じっている細胞や、体の表面に近い場所にあるリンパ節、しこりから細い針で採取した細胞、あるいは子宮がん検診などで子宮頚部や子宮内膜からこすり取った細胞をプレパラートに塗りつけて特殊な染色を行い、病気のスクリーニング(振り分け)や診断を行います。


細胞診の流れ

当科では細胞検査士の資格を持つ臨床検査技師がスクリーニングを行い、疑わしい細胞や悪性と判断される細胞を病理専門医が最終診断しその結果を主治医に報告しています。


胸水中の肺がん細胞(肺腺がん)の写真

免疫組織化学的検査と最新の分子標的療法

免疫反応を利用し、がんが作り出すタンパク質を検出することで、多種多彩ながんを診断する免疫染色が施行可能です。人間の正常な細胞や構造物に存在するタンパク質を対象とすることで、正確な進行度やがんの広がりを評価することも可能です。
近年、病気の細胞に存在し、特定の働きをするタンパク質や遺伝子などをターゲットとして、効率よく治療を行う「分子標的薬」がさまざまながんで開発され、特に乳がんや大腸がん、リンパ腫などの血液腫瘍で高い治療効果を上げています。当科では、乳がんや胃がんにおけるHER2の発現、大腸がんではEGFRの発現などを調べ、これらの分子標的治療の適応についても病理専門医が正確な診断を行い最新の治療を提供しています。


乳がん(浸潤性乳管がん)にHER2の強発現が見られハーセプチンⓇが適応になります

病理解剖

不幸にも病気で亡くなられた患者さんを、ご遺族の承諾の元に解剖させていただく病理解剖を担当します。事故や犯罪にかかわる司法解剖とは異なり、生前の診断は正しかったのか、病気はどれほど進行していたのか、適切な治療がなされていたのか、治療の効果はどれくらいあったのかなどを解剖により診断します。病理解剖により得られた診断や知見は今後の医療の発展に大きく生かされることとなります。

歯科口腔外科

ドクターのご紹介


当科は頭頸科とのチーム医療で頭頸部がん、入院患者さんの歯科疾患(当院関連施設への訪問歯科診療を含む)、がん周術期の口腔管理(頭頸部・消化器・呼吸器領域の悪性腫瘍手術・放射線治療・化学療法)を中心に診療しています。がん治療には、外科療法、化学療法、放射線療法がありますが、患者さんの口腔内を衛生的に保つことで、がん治療の合併症が軽減し治療成績が向上することが分かってきました。当科では治療法に応じ、以下のような歯科的介入を行っています。
新患、紹介患者の診療は行っていません。

療法

外科療法

口腔がん、咽頭がん、喉頭がんなどの手術に伴う傷に口腔の細菌が付着、繁殖しないよう、術前、術後を通して、歯科医師、歯科衛生士、看護師とのチームで専門的口腔ケアを行っています。これにより、傷の治りが早く、誤嚥性肺炎などの術後感染のリスクを軽減させ、ひいては在院日数の短縮、投薬量の減量など様々な効果が期待されます。また、口腔の手術により生じる顎の欠損に対し、顎義歯等を作製し機能や審美性の回復を図り早期に食事ができるようにします。

放射線療法

頭頸部領域への照射により起こりうる口腔粘膜炎、口腔乾燥による辛い症状の軽減を口腔ケアや保湿、放射線防護用マウスガードの作製などにより図ります。また、放射線治療後に発生する多発齲蝕に対し、予防処置やフッ素による洗口を行います。さらに放射線の影響による顎骨骨髄炎が起こらないように、治療開始前より必要な歯科治療を行います。

化学療法

治療開始前から口腔管理をすることにより、抗がん剤の副作用による口腔粘膜炎を最小限に留め二次的感染を軽減します。また、治療中、免疫力の低下により、歯周炎等の慢性疾患が増悪しないよう前もって歯科治療を行います。


以上のように、がん治療が円滑に進み、口から食事が摂れることで闘病意欲を支えられるようスタッフ一丸となり誠意を持って患者さんをサポートしています。

口腔がん早期発見(今すぐにできるセルフチェック法)

口腔がん(舌・口腔底・歯肉・口蓋・頬粘膜・口唇)は、他の臓器のがんと違い口の中にできるのでご自分でも簡単に見つけることができます。2週に一回は鏡の前でセルフチェックをし、早期発見に努めましょう。

セルフチェックの方法

必要なものは手鏡とティッシュです。

①大きめの手鏡を用意します。
②義歯は外しましょう。
③上下の唇の裏側や歯肉を観察しましょう。
④頬を指で引っ張り頬の内側を観察しましょう。
⑤裏側の歯肉を観察しましょう。
⑥口蓋は少し上を向き色の変化や指で触れて、しこり、腫れがないか確認しましょう。
⑦指で、舌の表面、左右の側面、舌の裏側、口腔底を触り、腫れ、しこり、ただれ、痛みがないか確認しましょう。

セルフチェック項目
あり  なし 粘膜に赤いところ、白くなったところがある。
あり  なし なかなか治らない腫れ、しこりがある。
あり  なし 2週間たっても治らない口内炎がある。
あり  なし 合わない入れ歯を無理して使っている。咬むと痛みがある。
あり  なし このごろ食べ物が飲み込みにくくなってきた。舌、頬の動きが悪い、麻痺やしびれがある。

定期的なチェックとともに上記のような症状が1つでもある場合は、早めに専門病院を受診することをお勧めします。

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お支払いには各種クレジットカードがご利用いただけます。

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