ペインクリニック外科
病院へ受診される方々の8割近くの訴えが、「痛み(ペイン)」であると言われています。ご自身やご家族で「痛み」に悩まれて、日常生活に支障があり、活動が制限されている方々もいらっしゃると思います。「痛み」の原因を診断して「痛み」の治療する、患者様中心の医療を担う診療科が「ペインクリニック」です。
診療科について
ペインクリニックは、さまざまな痛みの診断、治療を行う「痛み専門の診断治療部門」です。「痛み」はとても複雑で深刻な問題です。これまで多くの疾患の診断学が飛躍的に進歩してきましたが、痛みそのものに対する診断や治療は確立されてきませんでした。その理由は、痛みそのものがどの程度のものかなどの客観的な評価が難しい主観的な経験・感覚である症状の一つだからです。近年、痛みに対する研究や治療方法の発達により、痛みの仕組みは明らかになってきています。例えば、長く続く痛みにより、「痛みの悪循環」に陥ったり、神経自体が「痛み」を記憶してしまうことにより、痛みそのものが強くなり難治性となってしまうことがあります。痛みの治療として、この悪循環を断ち切ること、痛みの神経の興奮を抑えることが重要です。
ペインクリニックにおける痛みの治療方法としては、神経ブロック、薬物療法、椎間板内治療、脊髄電気刺激、光線療法などが挙げられます。当科では、痛み治療の専門知識と技術を持った専門医が、症状や身体的所見、種々の検査から痛みの原因を診断し、適切で有効な治療法を選択して行い、痛みからの解放と健康な日常生活への早期復帰をサポートします。
診療内容
- 腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰痛や下肢のしびれ痛
- 頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアなどの頚部上肢のしびれや痛み
- 帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛
- 三叉神経痛
- 手術後や外傷後の長引く痛み
- 幻肢痛(手足の切断後の痛み)
- 肩関節、膝関節の痛み
- バージャー病や閉塞性動脈硬化症などによる末梢血流障害による痛み
- 顔面神経麻痺、顔面・眼瞼痙攣、上下肢痙縮による痛み、突発性難聴
- 片頭痛や緊張性頭痛などの頭痛
治療方法
神経ブロック療法
神経ブロックとは、神経やその近くに針で直接薬液を注入し、神経の興奮伝達を一時的、または長期にわたり遮断することです。これは、薬剤を口から服用して体全体に薬物が作用するのと違い、痛みを伝えている神経そのものに薬液を効かせる方法です。神経ブロックには約50もの種類があります。神経ブロックによる効果には、知覚神経ブロックによる除痛効果、交感神経ブロックによる血行改善効果、内臓神経ブロックによる内臓痛除痛効果、運動神経ブロックによる筋弛緩効果、痛みの悪循環を断ち切る効果があります。
椎間板内治療
椎間板に痛みの原因がある椎間板ヘルニアや椎間板症性腰痛に適応があります。治療法として椎間板造影・圧注入法、経皮的髄核摘出術、髄核高周波熱凝固法が挙げられます。
脊髄電気刺激療法
痛みは痛みの信号が皮膚などから末梢の神経へ伝わり、脊髄を通り脳に伝わってはじめて感じます。脊髄刺激療法は痛みの信号が脳に伝わる前に、脊髄に微弱な電気を流すことで、痛みの信号を伝わりにくくすることによって痛みをやわらげる方法です。薬物療法や神経ブロックなどで、鎮痛効果が十分に得られない場合に考慮される方法です。腰椎手術後の腰下肢痛、神経障害による痛み、幻肢痛、脊髄損傷後痛、帯状疱疹後神経痛、手術・外傷後の痛み、などに適応があります。
薬物療法
痛みのメカニズムが明らかになるに従い、いろいろな鎮痛薬が開発されました。痛みの原因に応じた鎮痛薬の適正な選択を行うことが非常に重要となってきます。
医師紹介
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副院長
表圭一
おもてけいいち
出身大学 札幌医科大学卒業
専門分野 神経障害性疼痛
痛みのインターベンション治療
脊髄刺激療法学会専門医・
認定医日本麻酔学会指導医
日本ペインクリニック学会専門医
臨床修練指導医認定医(外国人医師指導資格) -
医長
新谷知久
にいやともひさ
出身大学 札幌医科大学卒業
専門分野 痛みのインターベンション治療
脊髄刺激療法学会専門医・
認定医博士(医学)
日本麻酔学会専門医
日本ペインクリニック学会専門医
診療時間
受付時間 | 8:15〜11:30 / 11:30〜16:30 |
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診療時間 | 9:00〜12:00 / 13:30〜17:00 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | 表 | 新谷 | 表 | 表 | 新谷 | - |
午後 | 阿部 | - | 表 (15時20分まで) |
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【休診・代診情報】