歯科口腔外科
当科の診療内容は当院で全身麻酔手術、化学療法、放射線治療を受けられる患者さんを対象に行う周術期口腔ケアと、セルフケアが難しい方の口腔ケアが中心です。口腔ケアとは歯科医師、歯科衛生士等が行う専門的な口腔清掃のことをさします。口腔内には数千億の微生物が存在し、ご自身のブラッシングのみでは清掃が不十分な場合がほとんどです。定期的な口腔ケアは口腔衛生状態、歯周病を改善し、全身の健康状態を向上させます。
診療科について
周術期口腔ケアについて
手術、化学療法、放射線治療において、口腔ケアにより合併症の予防、軽減ができることが分かってきました。口腔ケアは術後肺炎や化学療法、放射線治療中の口内炎、歯周病重症化、顎骨壊死を予防します。歯がない上下総入れ歯の方でも、入れ歯に細菌が付着するため歯科での義歯の確認、洗浄が重要です。口腔ケアが全身に及ぼす影響について近年の知見を以下に示します。
脳卒中、狭心症、心筋梗塞
歯周病菌が出す毒素は動脈硬化、血管内プラークを誘発し、脳梗塞、心筋梗塞の発症に寄与します。
感染性心内膜炎
口腔内細菌は骨、歯肉から血流に乗って全身を巡ることがあります。心臓に細菌が住み着き炎症を起こした状態です。心疾患のある方、人工弁が入っている方は高リスクです。
誤嚥性肺炎
口の細菌が肺に入ること起こる肺炎です。口腔ケアで細菌数を減らすことが予防、再発防止に重要です。
糖尿病
歯周病菌が出す毒素はインスリン分泌を阻害し血糖コントロール悪化させます。歯周病治療は糖尿病改善に関与することが示唆されています。
認知症
歯周病菌が認知症の原因とされるアミロイドβの沈着を増加させることが示唆されています。
低体重児早産
妊娠されている方はホルモンバランスにより歯周病になりやすい状態です。歯周病がある場合の早産リスクは喫煙、アルコールよりも高いとされています。
医師紹介
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西山廣陽
にしやまこうよう
出身大学 北海道医療大学卒業
専門分野 口腔外科全般
学会専門医・
認定医博士(医学)
日本口腔外科学会認定医